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相手に”変化”をどうさせる?
後輩指導、人材育成の立場になった人。もう1度基本から勉強したい人。
一緒に学びましょう!今回は「変化」をもたらす教え方を解説します。
①ターゲット(目標)
②シナリオ(筋書)
③フォロー(追跡)
教え方の基本シリーズも佳境に近づいています。
まずは知識を蓄えて、実践にうつしていきましょう!
”変化”をもたらす教え方ポイント3つ
「望ましくない」行動を職員がしていたら、どうしますか?
保育や教育は子どもの未来や命に係わる職業です。
当然、その責任は重く、子どもにとって「望ましくない」振る舞いをすることはNGとされています。
しかし、自分の身の回りで「望ましくない」行動をしている職員がいたらどうしますか?
注意しても振る舞いが直らないケースもあるでしょう。
そのような時に相手に変化をもたらす教え方の基本を知っているだけで、有効なアプローチが見つかるかもしれません。
一緒に勉強していきましょう。
”変化”をもたらす教え方とは?
ここまでで学んだ、獲得や参加の方法によって相手の行動は変化していきます。
しかし、その中でも良い変化と「望ましくない変化」をしていく場合があるでしょう。
「望ましくない変化」をしてしまった場合、自然と相手が変化するのを待っていては、手遅れになることも考えられます。
ここでは、自然と変化するのを待つのではなく、好ましい方向へ変化を促していくイメージで話をすすめていきます。
新人だけじゃなくて、中堅やベテランの方へのアプローチとしてもオススメです。
間違った方向へ進んでいってしまいそうな職員を正すのも上司の役割です。
①ターゲット(標的)を明確にする。
何がどういう理由で望ましくないのか、正しく整理しましょう。
まずは教える相手の、どのような言動が望ましくないのか、ターゲットをはっきりさせます。
変化をもたらす教え方の基本は1つ1つ細かい言動を修正していくことです。
例えば、身だしなみ、言動、立ち振る舞い、言葉遣い、保護者対応、子どもへの対応など色々あると思います。
これをいきなり全部改善しようというのは無理があります。
1つ1つターゲットを定め、細かい修正を重ねていく事で、結果的に大きな変化へと繋げていきましょう。
「なぜ、その言動が望ましくないのか?」という事を論理的に説明できるようにしましょう
教える人は意外と「望ましくない行動」について、自分の中で深堀りができていないケースがあります。
いわゆる”なんとなくダメな気がする”という感情です。
それも気持ちとしてはわかりますが、それでは相手は変化しません。
なぜならば、相手にはこれまで生まれ育ってきた中での価値観があり、それに基づいて今の立ち振る舞いをしているからです。
なんとなく不快だから、とにかく良くないと思うから、という感情的な理由で説得しても、相手にとってはそれが当たり前のことなので、なぜ望ましくないのか理解ができません。
根拠をもって、論理的に説明することが求められます。
とにかくダメと言われても、納得できないですからね。
この事は子どもを叱る際も大切です。
「望ましくない言動」を指摘する場合は「良い言動」と両方指摘しましょう。
変化を促すということは、「望ましくない言動」から「望ましい言動(目標)」にしていくということです。
この時に、現在持っている「望ましい態度」は継続していってもらえると、より理想に近づくはずです。
相手の言動を指摘する際に
「〇〇先生のこういう所は素敵だから、ずっと大切にして欲しいな!」
とひと声かける事が大切です。
教わる側は「自分の良い面もちゃんと見ていてくれている」と感じるからです。
悪いところばかり指摘されたら、その人の事嫌いになっちゃいますもんね!
「良いとこ探しをする」は教える側は常に必要な心構えなんじゃ。
②シナリオを描く
大人の指摘をする場合は準備が大切
相手の変化して欲しい部分、ターゲット(目標)が定まったら、次はシナリオを考えます。
シナリオとは、相手に伝える話し方の順番のことです。
大人の言動を変えるのはかなり難しいことです。
相手にもそれまでの人生があり、価値観があります。
それを変化させていくためには、私たちもそれなりの準備が必要となります。
意外とこのシナリオ作りをしていなくて、失敗してしまうケースが多々あります。
どのような流れで、どのような風に伝えるのか、しっかり準備して臨みましょう。
どんな風にシナリオって作るんですか?
作り方のポイントを解説していきます。
良い点を具体的に伝え、改善点へ繋げる
シナリオを作る際は、まずは良い点を具体的に伝えていくことが大切です。
次の2つのシナリオを見てください。
1.遊びが盛り上がっている時に子どもへの言葉使いが時々乱暴になってる時があるよ。気を付けてね。
2.最近頑張ってるから、引き続き、その調子でね。
②〇〇先生…
1.最近子ども達の遊びを発展させるの、すごく上手になったよね。
2.あれは誰が始めた遊びなの?
3.でも、盛り上がりすぎて、先生の言葉遣いが時々乱暴になってるよ。気を付けてね。
いかがでしょう?
①のシナリオは指摘と改善点を最初に話し、なおかつ抽象的な褒め方をしている例です。
「最近頑張ってるね」と言われてもホントかな?って思っちゃいますね。
②のシナリオは最初に良い点を具体的に伝え、雑談を交えた上で、指摘をしているパターンです。
少し極端ですが、違いはなんとなくわかると思います。
話し始めた時にいきなり改善点を伝えてしまうと、「叱られた」という印象ばかりが残り、結果的には「叱られた」と印象しか残らなくなってしまう可能性があります。
心理学用語で「初頭効果」と呼ばれています。
さらに、良い点を具体的に伝える、雑談を少し交える事で「私の事をちゃんと見ていてくれてるんだな」という気持ちが生まれます。
そうすることで指摘が「私の事を想って指摘してくれているんだ」と変化へ繋がりやすくなるのです。
このように、相手に変化を指摘をする場合は、シナリオを作成すると効果的です。
③フォロー(追跡)をする。
事後の確認をしっかり
相手の変えて欲しい部分(ターゲット)を絞り、改善点を伝える(シナリオ)をした後はフォローが大切になってきます。
フォロー(追跡)とは、改善点を伝えたあとに、相手がどのような変化をしたかを確認する作業です。
相手が改善できているならば、しっかりと良い点として伝えてあげましょう。
逆に改善が見られないようであれば、またターゲットを絞り、シナリオを作成していく必要があります。
変化は長期間で考える。
自分に置き換えるとわかりやすいかもしれませんが、改善点を伝えて、すぐに改善ができるほど人間は容易ではありません。
数年経ったあとに、何か転機があったときに、ミスをおかした時に…。
人間が変化するタイミングというのは様々で、こちらでコントロールできません。
発信は行いながらも、変化することを信じて、気長に取り組みましょう。
まとめ『相手以上に相手の事を考える』
最後に、こびと園長が考える、相手の変化をもたらす教え方で大事にしている事を記載します。
先ほどもあったように、人間が変化するタイミングはこちらではコントロールすることはできません。
変化が見られる前に退職してしまった、会えなくなってしまった、という事の方が多いです。
変化を期待しすぎると、なんだか裏切られたような気分になる時もあります。
とはいえ、何もしないのでは変化はずっと訪れません。
こびと園長はとにかく、誠心誠意、相手の事を想って発信し続けるしかないと考えています。
その時に心がけているのが相手以上に相手のことを考えるという点です。
自分のことは自分が一番わかっている、と思う方も多いかもしれませんが、実は自分自身で見つけられないことなど沢山あります。
どんなに自分に自信がなくても、周りから見ると強みになる部分も探せばきっとあるハズです。
そんな時に誰かが勇気を持って伝えてくれること、これほどありがたいことはありません。
ただし、伝える内容が自分本位だったり、伝え方を間違えてしまうと、相手に思わぬ傷を負わせてしまうかもしれません。
そうならないためにも、相手の事を相手以上に考える、くらいの気持ちで発信を続けています。
誰かから受け取ったメッセージ、私から送るメッセージ、どちらも大切な宝物です。
受け取ること・送ることを大切に、日々を過ごしていきたいものです。
変化を信じて、伝えていきましょう!
子どもと関わる全ての人にエールを!