【2023年5月】保育ニュースまとめ【解説】

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【2023年5月】保育ニュースまとめ【解説】

保育に関するニュースは興味あるけど…時間もないし、ネットで調べるのも大変…。
そんな方のために、保育に関するニュースをまとめました。
これを見ておけば、最新の保育ニュースは一通りチェックすることができます。
ぜひ、ご覧ください!

給食食べきれなかった園児に約4時間“不適切”指導 2歳児のクラスでトイレに行けず失禁 三重県と桑名市が私立「長寿認定こども園」を近く特別監査へ

三重県桑名市の「こども園」で、園児に給食を4時間にわたって食べさせるなど不適切な行為があった問題で、県と市が近く特別監査を実施することが分かりました。

この問題は桑名市にある私立「長寿認定こども園」で、ことし2月から3月にかけて、2歳児のクラスで給食を食べ切れなかった園児1人に対し、保育士が約4時間にわたって食べるよう指導を続けたもので、園児はトイレに行けず失禁してしまったということです。

2023/05/23 TBS NEWS DIG

給食に関する「虐待等に疑われる事案」のニュースが入りました。

こびとちゃん
こびとちゃん

2歳児が4時間も…ずっとトイレも行かずに、給食を強要なんて…かわいそうすぎます。

保育所保育指針の中では、食育の部分に関してこのような記載があります。

子どもが生活と遊びの中で、意欲をもって食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに成長していくことを期待するものであること。

保育所保育指針 第3章 健康及び安全 2 食育の推進より

トイレも行けず、4時間ずっと給食を強要されていた部分は、明らかに指針からも逸脱した行為と言えます。
さらに今回の事件では、保護者がボイスレコーダーの録音データを公表した点も衝撃的でした。

こちらのニュースから内容を視聴することができます。

こびと園長
こびと園長

ショッキングな内容ですので、視聴は自己の判断でお願い致します。

三重・桑名市にある「長寿認定子ども園」で不適切な保育が疑われる事案が起きていたことが明らかになりました。市によると保育士は、3歳の子どもに、約4時間にわたり給食を食べきるよう強要し、トイレにも行かせなかったということです。

事態が明るみに出たきっかけは、虐待や不適切な保育が疑われたため、保護者がカバンに入れたボイスレコーダー。録音データには、「窓から放り出されて爆泣き」「目の前で最高」との保育士の会話も記録されていました。

2023/05/16 日テレNEWS
こびとちゃん
こびとちゃん

言葉がけも…こどもの権利を尊重しているとは言い難いですね…。

このような事態が繰り返されないために、園での対策が急がれます。

「不適切な保育」914件 虐待90件、初の全国調査

こども家庭庁は12日、全国の保育所で昨年4月~12月に、園児の心身に悪影響を及ぼす「不適切な保育」が計914件確認されたと発表した。全市区町村を対象にした初の実態調査で明らかになったもので、うち90件は激しく揺さぶるなどの虐待に当たると自治体が判断していた。子どもの安全を脅かす深刻な状況が浮き彫りになり、対策が急務だ。(中略)
自治体が事実確認を行ったのは計1492件。このうち、実際に不適切保育と確認されたのは計914件だった。

2023/05/12 東京新聞

昨年末におこなわれた「虐待等に疑われる事案(不適切な保育)」の調査結果が判明しました。
調査で挙げられたのが1492件、そのうち不適切な保育と確認されたのが914件、という結果になりました。

こびとちゃん
こびとちゃん

500件以上が確認されなかったのですね。

今回の調査では「不適切な保育」の認識に、各自治体や保育所でバラつきがある事がわかりました。
調査の中で、このようなニュースも報道されました。

こども家庭庁が12日に発表した「不適切な保育」の実態調査で岐阜県が全国2番目に多い79件だったことについて、岐阜市は15日、うち9割以上に当たる73件が岐阜市分だったと発表した。ただ73件は、虐待が疑われる「不適切な保育」には当たらないとして、市はゼロ件に訂正するよう同庁に求める。

2023/05/16 岐阜新聞WEB
こびと園長
こびと園長

73件から0件に…。こうなると調査が正確なのかどうかも、わからなくなってしまいそうですね。

こども家庭庁からは調査結果と併せて、対応策が示されました。

保育園で虐待が起きた場合、園や自治体がとるべき対応をまとめたガイドラインが策定されました。

小倉こども政策担当相「大変遺憾であります(静岡・裾野市の)事案に対しまして、しっかりその教訓を踏まえて、今回ガイドラインをつくった」

こども家庭庁と文部科学省が12日、自治体に通知したガイドラインでは、不適切な保育を防ぐための日常的な相談・支援体制や、虐待などが疑われる事案を確認した際に、保育園や自治体がとるべき段階的な対応などが示されています。

2023/05/12 日テレNEWS

不適切事案の対応策ポイント

(1)ガイドラインの策定

(2)児童福祉法の改正による制度的対応の検討

(3)虐待等の未然防止に向けた保育現場の負担軽減と巡回支援の強化

※こども家庭庁「昨年来の保育所等における不適切事案を踏まえた今後の対策について」より抜粋

(1)のガイドラインの中で改めて、不適切な保育の立ち位置が見直されたり、防止のための対策が示されています。

こびとちゃん
こびとちゃん

定義を定めてから調査したほうが良かったんじゃないですか?

ガイドラインがでたことで、虐待等に疑われる事案が少しでも減ることを願っています。

「不適切な保育を防ぐためのガイドライン」については、コチラの記事で解説しています。

3歳が意識不明…設置したばかりのロープが首に絡まったか 保育園の山で 庭の保育士6人、3歳を見ておらず

2日午前、埼玉県久喜市の保育園で、遊具で遊んでいた3歳の男の子の首にロープが絡まり、意識不明の重体となっています。警察は保育士から事情を聴くなどして詳しい状況を調べています。(中略)
警察によりますと、園庭の遊具で遊んでいた3歳の男の子の首にロープが絡まり、男の子は病院に運ばれて手当てを受けていますが意識不明の重体です。
園庭には土を盛ってできた山をロープを伝って上ったり下りたりできる遊具がありましたが、このロープが男の子の首に巻きついているのをほかの園児が見つけて保育士に知らせたということです。
事故のあった当時は園児を外で遊ばせる時間で、園庭では34人の園児が遊んでいて6人の保育士がついていたということです。

2023/05/02 NHK

園庭の遊具で重大事故が発生してしまいました。

こびとちゃん
こびとちゃん

3歳児の首にロープが巻き付いているのを、保育士は気づけなかったのですね…。

こびと園長
こびと園長

別の記事でロープはこの日に新しく設置されたという内容がありました。
こどもも慣れていなかったのか…。

園児34人が遊んでいたのに対し、6名の保育士がついていたので、(園児の年齢にもよりますが)人数は決して少ないわけではなかったはずです。
なぜ事故が起こってしまったのか?リスクのある遊具を制限しすぎないためにも、検証されると良いですね。

その後、お子さんは意識が回復したことも報道されました。

埼玉県久喜市の保育園で遊具のロープが園児の首に巻き付いて3歳の男の子が意識不明になった事故で、その後、男の子の意識が回復したことが分かりました。

2023/05/24 テレ朝NEWS
こびと園長
こびと園長

本当によかったです。一刻も早い快復を願っています。

政府、保育士増員を支援 運営費加算で負担軽減

政府は、国の基準より保育士を増やした保育所に対する運営費を加算し、支援を強化する方針を決めた。保育士の業務負担を軽くする狙い。保護者が安心して預けられるよう「保育の質」の向上も目指す。早ければ2024年度から実施する。保育士は慢性的な人手不足となっており、人材の獲得が課題になりそうだ。

2023/05/07 東京新聞
こびとちゃん
こびとちゃん

これってどういうことですか?よくなったのですか?なってないんですか?

こびと園長
こびと園長

良くはなってます。
ただ…あと1歩!って感じですかね。

最近では、少子化の影響や、頻繁に報道される不適切な保育の事案・子どもの死亡事故などを受けて、配置基準の見直しが叫ばれてきました。
国としても、「配置基準の見直しを検討する」と発表しています。

こびとちゃん
こびとちゃん

今回のは配置基準の見直しではないのですか?

こびと園長
こびと園長

配置基準の見直しではありません。

今回の決定は、配置基準の見直しではなく、「配置基準よりも多く保育士を配置した場合、公定価格(保育園を運営するお金)の(国が出す)支給額を増額します」といったものです。

保育士増援支援のイメージ(ニュース記事内より引用)

こびとちゃん
こびとちゃん

それだと何かいいことあるのですか?

こびと園長
こびと園長

保育園は職員を多く配置しやすくなります。

たしかに公定価格が加算になるので、保育園としては保育士を多く雇い、労働環境の向上をすることができます。
しかし、あくまで配置基準は据え置きですので、実施するかしないかは、運営者に委ねられてしまっているのです。

こびと園長
こびと園長

基準そのものが変われば、有無を言わさず、人を増やすしかなくなるのですけれどね。

そういったところから、どこまでこの施策が現場の負担に繋がるかまでは未知数です。
とはいえ、配置を多くしやすくなるので、保育業界全体としては一歩前に進んでいます。

政府は3月に決定した少子化対策の試案で「改善する」と明記していますので、今後基準が変わる可能性はあります。

こびとちゃん
こびとちゃん

配置基準のニュースは注目していきたいですね…!

超少子化の韓国、5年で/10,000カ所近く廃業

韓国で、超少子化の影響により毎年2000カ所以上の保育園が消えている。邑(ウプ)、面(ミョン)、洞(ドン)単位で保育園が設置されていない地域も増加傾向にある。政府はいわゆる「保育脆弱地域」を調査している。

保健福祉省の保育統計によると、昨年12月31日時点で保育園は3万923カ所だった。2013年に4万3770カ所でピークに達した保育所の数は、その後減少を続けている。この3年間は毎年2000カ所以上が減った。2017年末(4万238カ所)と比べると、5年間で9315カ所の保育園がなくなったことになる。

韓国では少子化が進み、廃園する保育園が数多く報告されています。

ニッセイ基礎研究所の報告ですと、韓国の2022年合計特殊出生率は「0.78」と7年連続で減少しているとのことです。

こびとちゃん
こびとちゃん

日本はどれくらいでしたっけ?

こびと園長
こびと園長

2022年のデータは公表されていませんが、「1.27」程度、と言われています。

政府も少子化対策に力を入れ始めてきている?ようですが、効果はまだ未知数です。

韓国のような事態になる前に…効果的な施策を期待します。

1歳園児を逆さづりしたなどで38歳元保育士に罰金20万円の略式命令 保育士園児虐待事件=静岡・沼津簡裁

2022年、静岡県裾野市のさくら保育園で園児を逆さにして宙づりするなどした暴行の罪で略式起訴されていた元保育士の38歳の女性が沼津簡裁から罰金20万円の略式命令を受けていたことがわかりました。

2023/05/17 SBS NEWS

2022年静岡県の虐待事件が一応の決着を見せました。
38歳の女性は罰金20万円の略式命令を受け、他の2名は不起訴となったようです。

こびとちゃん
こびとちゃん

あれだけ大きな反響を呼んだ事件なのに対し…。
なんだか色々よくわからないまま、終わった印象ですね。

虐待調べる監査拒んだ容疑、保育所側を書類送検へ 子育て支援法適用

 園児への虐待について調べようとした東京都日野市の立ち入り監査を拒んだとして、警視庁は近く、同市にある認可保育所「吹上多摩平保育園」の運営法人と職員の男(36)を、子ども・子育て支援法違反の疑いで書類送検する方針を固めた。同法違反での摘発は全国初とみられる。

2023/05/18 朝日新聞DIGITAL

園児への虐待に対する調査を拒み、書類送検される…という、非常に珍しいケースの事件が起きました。

日野市や東京都はこれまで当該の園に対して、虐待の件に関して、園に何度も改善命令を出していました。

しかし、園側は頑なに虐待の事実を否定してきたのです。

こびとちゃん
こびとちゃん

そんな事あるんですね…。

東京都が立ち入りの監査をおこなおうとした際に、園の関係者が立ち入りを拒み、書類送検に繋がりました。

子ども子育て支援法では以下のように、定められています。

第十四条 市町村は、子どものための教育・保育給付に関して必要があると認めるときは、この法律の施行に必要な限度において、当該子どものための教育・保育給付に係る教育・保育を行う者若しくはこれを使用する者若しくはこれらの者であった者に対し、報告若しくは文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該教育・保育を行う施設若しくは事業所に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

子ども子育て支援法

「保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン」の中にも、園側の対応として「嘘をつかない」「隠さない」という事が強調されています。

事実はこれから追及されていくのでしょうが、誠実な対応がなされることを願っています。

こども誰でも通園制度、8年度実施

政府は、保育所の利用要件を緩和する新制度「こども誰でも通園制度(仮称)」を令和8年度から全国で実施する方向で調整に入った。同制度は岸田文雄首相の掲げる「次元の異なる少子化対策」の目玉の1つで、今年6月に決定する「こども未来戦略方針」に盛り込み、来年1月召集の通常国会に関連法案を提出する。複数の政府関係者が30日、明らかにした。

新制度は親の就労時間を問わず、誰でも時間単位で保育所を利用できるようにするもので、子育て世帯の育児負担を軽減する狙いがある。保育所は従来、親の仕事や病気など「保育の必要性」が認められなければ入園できず、支援を得られない親が孤立したり、虐待につながったりするリスクが指摘されていた。

2023/5/30 産経新聞

国が「こども誰でも通園制度」の実施を令和8年度と発表しました。

こびとちゃん
こびとちゃん

予想以上に早く始まるのですね…。

この「こども誰でも通園制度」はTwitterなどSNSで賛否両論の議論が巻き起こっています。

ポジティブな意見例

・虐待防止の観点から、誰でも保育園に通える制度は必要。

・こどもには教育を受ける権利がある。

・少子化対策としても、こどもを育てやすい制度は必要。

ネガティブな意見例

・保育士の待遇改善など”受け入れる側”の改善が先に行われるべき。

・子育ての外注化が進み、保育現場にばかり負担がいく仕組みになるのではないか。

・親としての自覚がなくなりそう。

厚生労働省によると、2020年時点で、保育所や幼稚園、認定こども園に通っていない0~5歳児は全国で約182万人いるとされています。

保育所としても、定員割れを起こしている園が多いなか、利用者が増えるのは必要なことです。

しかし、保育時間の利用上限の規制もなく、11時間以上保育園で保育を受けるこども達もいるなかで、この制度がどのように運用されていくのか、疑問に思う部分もあります。

こどもにとって親はどのような存在であるか、保育園はどのような役割を担うべきか、本当にこどもにとってより良い環境はなにか、「こども誰でも通園制度」が始まる前に議論が深まることを期待します。

こびと園長
こびと園長

「こどもをどのように健やかに育てるべきか」日本社会の在り方が問われているように思えます。

【続報】岸田総理「こども誰でも通園制度」2024年度から開始を表明

岸田総理は、働いているかを問わず、誰でも時間単位等で柔軟に利用できる「こども誰でも通園制度」について、「速やかに全国的な制度とすべく、2024年度から制度の本格実施を見据えた形で、モデル事業を実施したい」と表明しました。

2023/06/01 TBS NEWS DIG

まさかの続報が入りました。
2026年度から実施予定の「こども誰でも通園制度」が2024年から始まることが決定しました。

こびとちゃん
こびとちゃん

まさかの急展開…。

こびと園長
こびと園長

現場は混乱するかもしれませんね…。

どのような制度設計になるのか、今後の動向に注目が集まりそうです。

まとめ

2023年5月は以下のニュースを取り上げました。

こびとちゃん
こびとちゃん

これからも学んでいきましょう✨

子どもに関わる全ての人へエールを!

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