PR
皆さんの職場の会議はどのような雰囲気でしょうか?
狩るか狩られるか…緊張感の漂う会議?
皆の前で意見を言うのはちょっと…シーンと会議?
和気あいあいと話せる会議?
もちろん仕事をする上である程度の緊張感やメリハリは大切です。
しかし、意見を求められても黙ってしまう。怖くて自分の意見が言えない。
これでは会議を開く側も参加する側も本意ではないし、質の良いアイディアは生まれにくいでしょう。
意見を求められても黙ってしまう原因はいくつか考えられます。
対策を丁寧に取り組めば、自然と活発な会議になっていきます。
今回は「心理的安全性」をキーワードに解説していきます。
- この記事を読むとわかること
- ・心理的安全性について
・心理的安全性を高める方法とは?
一緒に勉強しましょうー!
会議の質を高める心理的安全性
会議で黙ってしまうのは…それぞれがプレッシャーを感じているため。
会議の場で発言せずに黙ってしまったり、自分の意見を出すのに抵抗があるのはなぜでしょう?
会議や研修のような場では4つのプレッシャーがあると言われています。
発言を妨げる4つのプレッシャー
・同調プレッシャー…自分の意見が他者と異なる際に感じる,意見を発言することへのプレッシャー。
・評価プレッシャー…他者から自分の考えを否定されたり,考えの根拠を追及されたりすることへの恐れに基づく発言へのプレッシャー
・経験年数プレッシャー…経験年数に応じた役割意識やプライドから,研修における語り合いを牽引する存在や知識豊富な存在であるべきというプレッシャー
・完成度プレッシャー…自分の考えを発言する際に,他者に内容が正確に伝わり,かつ他者が納得する水準の内容でなければならないという自己規定により生じるプレッシャー
ひと口にプレッシャーと言っても色々あるのですね!
つまり会議や研修のグループワークのような場において、「新人もベテランも等しく同様にプレッシャーを感じている状態である」ということです。
このプレッシャーをはねのけ、安心して発言ができる状態の事を「心理的安全性」と呼びます。
職員が主体となる会議を作るためには、プレッシャーの中身を把握し、それを乗り越えるような仕組みを作る必要があります。
もう少し詳しく、心理的安全性について解説していきます。
会議の質を高める心理的安全性
心理的安全性とは組織行動学を研究するエドモンドソン教授が提唱した心理学用語です。
エドモンドソン教授…一度は声に出して呼びたい名前ですね!
- 心理的安全性とは?
- 自分が発言をチームメンバーが拒否したり、罰したりしないだろうと思える心理状態。
チームのメンバーに対する安全性が低いとこのようなケースが起きてしまいます。
例えば、保育でケース会議をしていたとします。ある子どもの様子をビデオ撮影し、みんなで検証する研修を行いました。ある職員は1つの事に気が付きました。しかし、「こんな事言ったら馬鹿にされるんじゃないか?」とか「これ言っちゃっていいのかな…?」と思いました。結局、職員は発言はせず、会議は終了しました。
このような経験は誰にでも1度は経験があるのではないでしょうか?
この心理状態は自分の発言がしにくい状態、つまり心理的安全性が低い状態であると言えます。
メンバーへの心理的安全性よりも評価プレッシャーが上回ってしまったのですね。
会議で気軽に発言できるようになるためには、プレッシャーを押しのけるぐらい、心理的安全性を高めてあげることが大切です。
特に保育の質を向上させるためにも、この心理的安全性は大きなキーワードとなってきます。
子どもの育ちに大切な『意見の多様性』
子どもの育ちを検証する場合、様々な角度からの意見が大切です。
例えば、担任の前ではいつもやんちゃなA君が、年下の子がいるクラスではお世話をしてあげたり、遊んであげていた、という場合。担任だけの視点だと『A君はやんちゃな男の子』だけで終わってしまいます。
しかし、ここに年下のクラスの担任の先生がA君の一面を伝えると、A君は『やんちゃだけど、年下には優しい男の子』という見方になります。
そして、「どちらが本当のA君なのか?」ということではなく、「どちらもA君の本当の姿」というわけです。
A君という子をより深く知ることができましたね!
このように子どもを観る場合、様々な人からの意見があることで、より深くその子の発達や特性を知ることができます。
色々な意見が出れば出るほど、こどもへのまなざしの多様性が生まれ、豊かな記録になっていくのです。
それが思わぬ発見や、その子の大切な育ちに繋がる事があるのです。
そのような意味でも、心理的安全性を高め、職員が発言しやすい場づくりをすることは保育をする上でとても大切な作業と言えます。
心理的安全性については大企業も研究している
かの有名な大企業。Googleも高い質のチームを形成するためには心理的安全性が基盤という研究結果を発表しています。
こちらの方はもっと詳しく心理的安全性について学べます。
無料ですので、興味のある方はこちらの記事をご覧ください。
チームにおいて真に重要なのは「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」である、と結論付けたこの資料は学ぶ部分が多いのでオススメです!
スグにできる!心理的安全性を高める3つの取り組み
心理的安全性を高めるためには、プレッシャーの内容を理解し、それを解きほぐす取り組みを意識的におこなう事が求められます。
ここからは、心理的安全性を高める、具体的な取り組みの例をご紹介します。
会議で話す内容を事前に周知しておく。
会議が始まり、突然「今日はこのテーマで話すので、意見をください」と言われると、緊張感が高まります。
評価プレッシャーや完成度プレッシャーがかかってしまうからです。
会議で議論する内容があるのならば、事前に周知し、考えをまとめて来てもらうようにしましょう。
そうすることで、2つのプレッシャーを軽減する効果があります。
当たり前の事ですが、意外と疎かにしがちな点です。
また、「何をするのかよくわからない会議」というのは参加の意欲も湧きません。
会議の目的を共通認識することで、目的意識を持つ効果も期待できます。
この部分に関して、こちらの記事で詳しく解説しています。
「対話」をする研修をおこなう。
心理的安全性を高めるためには、自分の価値観を認めてもらい、相手の価値観を認めることが必要です。
そのためには「対話」を取り入れた研修を行いましょう。
対話=二者間でやり取りを行い、相互に作用しながら事を進めていくさま
(引用:Weblio辞書より)
「対話」とはそれぞれの価値観を交換することです。
価値観を交換することで相手に自分の事をわかってもらえている、という安心感が生まれます。
プレッシャーよりも安心感が勝ることで発言が容易にできるのです。
「対話」について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
緊張状態をほぐす、アイスブレークを取り入れる。
心理的安全性を高める方法はいくつかありますが、今回はアイスブレークという手法を提案します。
アイスブレークとは?チェックポイント
アイス(氷)をブレイク( 壊す)という字の通り、メンバー間の間にある隔たりを壊し、安全性を高める取り組みです。やり方はいたって簡単!会議前の10分間で簡単なゲームやお大事に沿った雑談をするだけです。
会議前にゲームなんかして怒られないですか?
始めは皆がちゃんと意味を理解できるように、説明してから始めると良いですね。
アイスブレークの目的は「とにかく発言すること」です。
なにも発言しないまま議論が始まってしまうと、発言のハードルが低くなってしまいます。
それを防ぐために、とにかく1回でも発言をしておくと、その後の話し合いのハードルがぐっと下がります。
話し合いの前に、ぜひ取り入れてみてください。
アイスブレークの具体例
・共通点探し…2〜4人のグループを作り、全員の共通点を探せるだけ探す。数の多いチームの勝ち。
・グッドアンドニュース…24時間以内の良い出来事をそれぞれ話す。
・「人生最後に食べたい料理は?」…人生で最後に食べたい料理について、理由や魅力について語る。
全体ではなく、3~4人程度のグループワークにすると良いですね。
アイスブレイクについては、コチラの記事でも書いています。
よければ参考にしてください。
まとめ
会議で発言せずに黙ってしまうのは、4つのプレッシャーがあるから。
- 同調プレッシャー
- 評価プレッシャー
- 経験年数プレッシャー
- 完成度プレッシャー
職員が参加したくなるような会議作りのキーワードは「心理的安全性」。
心理的安全性とは?
自分が発言をチームメンバーが拒否したり、罰したりしないだろうと思える心理状態。
心理的安全性を高めるために、今すぐ取り組める3つのコト。
- 会議で議論することは事前に周知する。
- 「対話」の研修をおこなう。
- 会議前にアイスブレイクをおこなう。
会議は憂鬱なものではなく、楽しいもの!と感じる事ができるようになれば、職員の働き甲斐にも繋がります。
出来る範囲内で取り組んでみてください。
ほいくぶでは、これから心理的安全性が高まる取り組みをご紹介します!ご期待ください!
こどもに関わる全ての人へエールを!