やってよかった!園内研修の内容

やってよかった!園内研修の内容

こびと保育園の園内研修を紹介します。

この記事は前回の続きの記事になっています。

こびと保育園で実際におこなった園内研修をご紹介します。

園内研修をどのように組み立てたのか、私が意識したことや、組み立て方など参考になれば幸いです。

こびと保育園の園内研修

前回の記事の作成方法に従って、研修を作成しました。

流れに沿って解説していきます。

ねらい「チーム内で伝えること・聴くことの大切さに気付く」

今回の研修ではチームビルディングを意識した研修を行いました。

ねらいを設定した背景として「職員間で声の大きい人の意見が通りやすい」「発言を求めても委縮してしまって発言できない職員がいる」という風潮があったためです。

研修を通して他の職員の意見の聞き方や自分の意見の伝え方について学んでほしいという想いがありました。

こびとちゃん
こびとちゃん

この時の研修は保育士発信ではなく、こびと園長発信でした。

こびと園長
こびと園長

風潮の部分は避け、意見の伝え方、聴き方について見直そう!ということを伝えました。

全体の時間配分設定

今回の研修は時間が60分と決まっていました。

この中でどのように時間を配分するのかを考えます。

今回は講師を呼ぶ想定はしていない体験型ワークをやろう、というのは決めていました。

そこで、このような時間配分をすることにしました。

時間配分の設定

①研修全体のねらい・ルールの確認(5分)

②アイスブレーク(5分)

③メインワーク(35分)

④振り返り(10分)

⑤まとめ(5分)

これで、それぞれの項目でやるべき事が見えてきます。

メインワークの種類を決める

今回はねらいとして「チーム内で伝えること・聴くことの大切さに気付く」ということを設定しました。

これは知識を理解することも大切ですが、体感で経験してもらう方が実感が沸くと判断し、体験型ワークに設定しました。

こびとちゃん
こびとちゃん

っていうか、こびと園長の研修はほとんど体験型ワークですよね。

こびと園長
こびと園長

講義型ワークは外部の研修の方が効果的だと思ってます。

メインワーク「タワービルディング」に決める(35分)

今回は「タワービルディング」というチームビルディング研修を行うことに決めました。

ワーク「タワービルディング」の概要

・1グループ3~4名のグループに分かれます。(3つ以上のグループになるように人数は調整します)

・制限時間内に「より高く・安定し・美しいタワーを作る」ことをします。

(必要なもの)

・コピー用紙(大量)、ホチキス、のり、セロハンテープ、はさみ

グループで協力して製作をするワークです。

こびとちゃん
こびとちゃん

みんなで製作するなんて研修ではあまりやらないかもしれないですね。

タワービルディングの流れは以下の通りです。

タワービルディングの流れ
①ワークの説明(5分)
②作戦会議(5分)
③タワー作成(10分)
④タワーの名前、アピールポイントを考える(5分)
⑤各チームのタワーをプレゼンする(10分)
⑥最優秀タワーの発表
こびとちゃん
こびとちゃん

結構シビアなスケジュールのように見えますね。

こびと園長
こびと園長

時間はざっくり決めておいて、ところどころで調整します。

本当はタワー作成時間は20分ぐらいあると良いのですが、時間の都合でこの配分にしました。

もっと時間が取れる方は、タワー製作時間・振り返り時間を多くとると良いと思います。

なぜこのワークを選んだのか?

このワークの長所は2つあります。

タワービルディングの長所2つ。

・ワークが保育経験年数に左右されないので、新人からベテランまで参加しやすい。

・協力して1つに事を成し遂げる体験を一緒にできる。

こびとちゃん
こびとちゃん

このワークはこびと園長が考えたのですか?

こびと園長
こびと園長

今回はコチラの本を参考にしました。

振り返りを設定する。

ワークを終えたら振り返りは必ずおこなうようにしましょう。

むしろ、ワークよりも振り返りのほうがメインであるとも言えます。

なぜなら、今回のねらいは「チーム内で伝えること・聴くことの大切さに気付く」という事です。

振り返りを通して、自分やチームのメンバーを客観的に見つめ直すことができます。

そこで学びや気づきに繋がるのです。

振り返りは振り返り用紙を用意し、まずはそこに書いてある質問事項に答え、グループに発表して共有します。

今回は質問事項を以下のように設定しました。

振り返りのポイント

・塔を作る作戦会議で自分はどのように相手に発信していましたか?

・チームのメンバーはどのように発信していましたか?

・あなたは自分のチームメンバーの意見に耳を傾けることができましたか?

・メンバーの印象に残った発言を教えてください。

全員の発表が終わったら、ワークを通して学んだことや気づいたことについて議論します。

こびと園長
こびと園長

今回は振り返り用紙記入3分、チームでの共有・議論が7分でした。

こびとちゃん
こびとちゃん

私はハシャギすぎて、しゃべりすぎて、作業を手伝えませんでした…。

こびと園長
こびと園長

体験のあとに振り返ることで客観的に見えてくることがあります。

ゲーム感覚のワークを振り返ると、自分を否定されずに、学びになっていきます。

これを保育の話でやってしまうと、経験年数が高い人が有利になり発言が多くなる、人の価値観を否定するような話をしてしまう、など参加のハードルがあがってしまいます。

保育の研修は保育分野について話すだけが学びではありません。

職員同士の関係性を作る研修も立派な保育の研修と言えます。

アイスブレークを考える。

今回のアイスブレークはメインのワークに時間を割きたかったので、短めにしました。

行なったのはテーマ雑談「人生最後の日は何食べたい?」でした。

5分間時間を取って、グループのメンバーで共有します。

「人生最後の日に何食べたい?」の詳細についてはこちらの記事で触れているので、詳しく知りたい方はこちらごご覧ください。

まとめを考える

ワーク全体を通して、改めてねらいを発表します。

今回のワークで作ったタワーの形に正解はありません。

限られた時間の中で、皆が協力して良い物を作るためには、相手の意見を聴いたり、自分の意見を思い切って話すことが大切になってきます。

保育に限っても、同じことが言えます。

それぞれのシーンで正解が変わってくる。

だからこそ、他の人の意見に耳を傾けたり、自分の意見を勇気を出して伝える事が、質の向上に繋がります。

伝え方、聴き方を意識しながら、保育にあたりましょう。

というような事を話して、まとめました。

他にもこのような形を取っても良いと思います。

  • 職員の感想を全体に向けて発表してもらう。
  • チームで話し合った事を発表してもらう。

体験型ワークの良い所は、体験と話し合いでほとんど学びが完成してる、という点です。

園内研修を終えて

職員の感想

こびと保育園でこの園内研修を行った時の職員の感想を一部抜粋します。

・楽しかった。自分から案を出すことが難しかったが、サポートは上手くできたと思う。(2年目)
・ガンガン進める先生がいるから、自分は他の人に意見を聴いたり、サポートに回った。(9年目)
・限られた時間の中で、ワークを進める、他の人の意見を聴きながら。仕事にも当てはまると思った。(副主任)
・「あぁしたら良いんじゃない?」「これじゃダメじゃない?」と議論する大切さを改めて気づきました。保育の中でも楽しみながら、議論する雰囲気を作っていきたいと思いました。(主任)

こびとちゃん
こびとちゃん

私たちの塔は途中で折れましたが、「挫折と再生」というタイトルにしたので、こびと園長賞を頂きました!

こびと園長
こびと園長

高さだけではなく、色々なポイントを評価すると盛り上がります。

反省ポイント「時間がもう少しほしかった」

この研修を終えて、反省ポイントはタイムスケジュールが少し厳しかったです。

もう少し研修時間に余裕があれば、タワーの製作時間や振り返りの時間、まとめの時間をもっと増やしても良かったな…と思います。

こびと園長
こびと園長

体験型ワークはメインワーク・振り返りが命なので、あと10分ずつあればもっと学びが深まったのにな…という反省はありました。

しかし、最初にねらいを共有していたので、職員も意識してワークを行いました。

感想を聞いても、こちらが伝えたかった事と、そこまで大きなズレはなかったので、おおむね成功と言っても大丈夫でしょう。

まとめ

研修は保育の話だけ?

今回は前回の園内研修の基本をもとに、実際行った園内研修の方法やポイントをお伝えしました。

実は、この記事を通して伝えたかった裏テーマがあります。

それは保育の話をするだけが研修ではないという事です。

ついつい保育園の園内研修だから、保育の話をしなきゃ!と思いがちになってしまいます。

しかし、保育の話は経験年数の差や年齢の差で消極的な職員も増えてしまう可能性があります。

せっかく、研修に参加したのに、言いたいことを言えなかった、人の話ばっかり聞いていた、という事では良い学びには繋がりません。

あえて、保育と違う話題で対話をし、保育に繋げるという手法もあります。

そうすることで、新人でも参加しやすい研修をすることができます。

よければ、ぜひチャレンジしてみてください。

今回の参考書籍

記事の途中にもありましたが、今回の研修は「プロセス・エデュケーション」という本を参考に組み立てました。

この本の中には様々なチームビルディング研修の技法、振り返り用紙のテンプレート、より良いチームの作り方…など、保育園で使える情報がたくさん載っています。

内容は少し学術的ですが、本当にオススメの1冊なので、興味のある方はぜひご覧ください。

今後も皆さんの役に立つ情報発信をしていきますので、よろしくお願い致します!

子どもに関わる全ての人へエールを!

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