
「試し行動」ってどんな意味があるの?
皆さんは子どもの「試し行動」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
子どもはある時期になると、親や養育者を試すような行動を取り始めます。
追いかけてもらいたくて逃げたり、隠れたり、時には暴力的な行為をしてみたり…。
そんな試し行動に困ってしまったことはありませんか?
しかし、この試し行動は自我の発達や言語の発達に関係があると言われています。
試し行動に適切に対応しないと、子どもの自尊心に傷がついてしまったり、試し行動の期間が長くなってしまう、などの可能性もあります。
試し行動の意味や対応の心構えを学び、しっかりと子どもに向き合っていけるようにしましょう!
子どもの「試し行動」とは?
子どもの試し行動の定義を確認しましょう。
- 試し行動とは?
- 子どもはある一定の時期になると、養育者に対して、物を投げる、反抗する、わざと注意されるようなことをする…などの行為をするようになります。
試し行動はどんな時に起きる?
就学までの子どもの言語発達は大きく3つの時期に分類されます。
①誕生~生後6か月

この時期は鳴き声や視線で親や養育者とコミュニケーションをとっていきます。

色々な泣き方で不快を伝えてくれたりしますね。
②6か月~18カ月(1歳半)ごろまで

目に見える人と意識的にコミュニケーションをします。
まだはっきりと会話をすることは難しいので、表情や喃語、身振り手振りでのコミュニケーションが主流です。

バイバイしたり、返事に答えたり、無言語でのコミュニケーションですね。
③18カ月~
この辺りから、段々会話でのコミュニケーションが主な手段になってきます。
単語同士のやり取りや、「〇〇ちょーだい」のような二語文も出てきます。
やりたい事を言葉で伝えられるようにもなってきます。
そして始まる試し行動

2歳前後、発達的には第一次反抗期を迎えます。この時にいわゆる「試し行動」と呼ばれる親や養育者を試す行動を取っていきます。
・やらなければいけない事から逃げる
・物を投げる
・大人から言われた事を嫌がる
などなど…。

保育園でもすごいです…。

意味をちゃんと理解するだけでも、気持ちは変わってきます。
「試し行動」にはどんな意味がある?

この試し行動は大事な人との信頼関係を築くための行為とされています。
「試し行動」を行い、大人の反応を見ているのです。
大人の表情から、自分がしている行動が善いのか悪いのか、それを確認していると考えられています。
エスカレートする「試し行動」にはどんな意味がある?
最初はイヤイヤぐらいから始まっていた、試し行動ですが、次第にエスカレートしていきます。

大人が嫌がることをしている気がします…。
その通り。
大人の嫌がることをわざとして、大人の顔色を伺い、どんな反応をするのか試している、と言われています。
その事から、大人がどう反応するのかが、大事になってきます。
試し行動にはどう対応したら良い?

愛着関係を築くために必要な行為、というのはわかりましたが…具体的にどのような反応をすればよいのでしょう?
行き過ぎた時には大人からちゃんと伝える。
愛着を確かめる行為ですが、行き過ぎた時には大人からしっかりと「ダメ!」というサインが出る事を子どもも理解しています。
試し行動に対して、曖昧な対応をし続けてしまうと、試し行動がエスカレートしたり、長引いてしまう可能性があります。
行き過ぎてしまった時にはしっかりと伝える事も大事です。
ただし、感情的にならない
子どもにちゃんと伝えることと「怒る」ことは別の行為です。
感情的になってしまうと、子どもも「怖い」という印象のみが残り、なぜダメなのか?を理解できません。
そうなると、何は良い行いで、何が悪い行いなのか、判断がつかなくなってしまうおそれがあります。
感情的に伝えるのではなく、今するべき行為を端的に穏やかに伝えましょう。
そして、子どもが理解してくれたらたくさん褒めてあげる事も大切になってきます。

私もついつい、もー!って感情的になってしまいます…。

感情的にならない技術、アンガーマネジメントも勉強するとタメになりますね。
まとめ
・子どもの試し行為は「言葉の発達」と深い関わりがある。
・試し行為は愛着関係のある人と、信頼関係を築くための行為である。
・試し行為をされた時は、感情的にならず、気持ちを受け止めながら淡々と伝えるべきことを伝えましょう。

意味が分かると、少しだけ気持ちが楽になりそうです!

大事な発達だから、丁寧に関わっていきましょう!
ほいくぶでは、今後も発達の基礎知識をお伝えします!
すべての子どもに関わる人達へエールを!