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乳幼児期の子どもの食事はマナーより雰囲気作りが大切です。その理由を解説します。
こびと園長~…保護者に「もっと食事マナーをしつけてください」って言われちゃいました…。
ほうほう、そうなんじゃな。
私は雰囲気を大切にしたいのですけど…なんて言ったらいいか、わからなくて…。
ちゃんと保護者に論理的に説明できるように、しっかり学びましょう。
こどもの食事場面、しつけと雰囲気どっちが大事?
結論:雰囲気を重視しましょう!
食事を食べて欲しい親の想い
- 食事のマナーをしっかり身につけて欲しい
- もっとしつけをして欲しい
皆さんの周りでも、このような相談はありましたか?
食事に関する親の想いというのは様々で、どれが正解で、どれが間違いという事はありません。
それぞれの家庭の価値観の中で、子どもは育っていきます。
ただ、自分の価値観、本当に合ってる?という事は定期的に見直した方が良いでしょう。
なぜなら、人の価値観というのは、年齢・情報・社会背景、様々な要因によって変化していくからです。
私が学生時代は「部活中に水を飲んではならない」という価値観が普通でした。
今やってしまったら、問題になってしまいますね。
私たちが「当たり前」と思っている価値観は、色々研究すると実は「当たり前」でない事も多くあります。
その事を保護者に伝えるのも保育士の大切な仕事です。
食事の目的は?栄養を摂取すること。
改めて、食事の目的を見返していきたいと思います。
食事は人間にとって生きる中でとても大切な営みです。
食事を通して食べ物の美味しさに気づいたり、食事中の会話で関係性を深めたり…様々な得られるものがあります。
しかし、食事の一番の目的は栄養を摂取することです。
特に身体の成長過程にある子どもにとって、栄養を効率的に摂取することはとても大事です。
食べ物は消化して初めて摂取される。自律神経との兼ね合い。
食べ物は食べただけでは、栄養は摂取されません。
胃に送られた食べ物が、正しく消化をされて初めて栄養が摂取された状態になります。
この際に頭の片隅に入れておいてほしいことが、消化は自律神経と密接に関連している、という点です。
自律神経ってなんでしたっけ?
次に自律神経について解説していきます。
自立神経とは?
- 自立神経とは?
- 身体の働きを調整する神経のこと。
交感神経と副交感神経の2種類に分かれています。
交感神経と副交感神経は車でいうアクセルとブレーキのようなものです。
この交感神経と副交感神経が自動で切り替わっていくことで、体の健康を保っていきます。
人間の機能ってすごいですね!
それぞれの特徴を見ていきましょう。
交感神経と副交感神経 それぞれの働き
下の表からもわかる通り、交感神経と副交感神経はそれぞれ、切り替わるタイミングがあります。
交感神経(活動)が優位になるとき | 副交感神経(休息)が優位になるとき |
---|---|
活動しているとき | 休息しているとき |
緊張しているとき | 寝ているとき |
ストレスがあるとき | リラックスしているとき |
交換神経と副交感神経って自分の意志で切り替えられるんですか?
基本的には体が勝手に切り替えるから、自分の意志では無理です。
しかし、リラックスした時に勝手に切り替わりはするから、ある程度操作はできるかもしれないですね。
最初の表はざっくりとした図ですが、交感神経と副交感神経が切り替わると、このような影響が出てきます。
交感神経 | 身体機能 | 副交感神経 |
---|---|---|
収縮 | 血管 | 拡張 |
上昇 | 血圧 | 下降 |
速い | 心拍 | ゆっくり |
緊張 | 筋肉 | 弛緩 |
ぜん動抑制 | 腸 | ぜん動促進 |
増える | 発汗 | 減る |
こんなに色々な影響が出てくるんですね!
消化に必要な胃液・胃酸は副交感神経が優位の時に分泌される
先ほどの図表の中に消化に必要な腸の活動が抑制されてしまう、と載っていました。
念のためもう1度。
つまり、子どもが緊張した状態になると、交感神経が優位になってしまいます。
そうなった場合、せっかく口に入れた栄養も正しく消化がされなくなってしまい、結果的に栄養を取るという目的を果たせなくなってしまうかもしれないのです。
私も緊張して、何食べてるかわからないことや、すぐお腹が空いちゃうこともありました!
きっと交感神経が優位になってたのかもしれないですね。
そういった意味からも、食事においてマナーよりも食べる雰囲気を良くすることが大切です。
食事のマナーは伝えていけないわけではない
「食事のマナーよりも雰囲気が大切、という事はわかったけど…言ったりしちゃいけないの?
という疑問もあると思います。
マナーを伝えることも大切です。
ただ、あくまで子どもが食事を嫌いにならないよう、気をつけながら伝える事が大切です。
伝え方のポイントは以下の2点です。
食事マナーを伝える時に気をつけるポイント
・短くコンパクトに
・感情的になりすぎない
これらの事を意識して伝えるようにしましょう!
まとめ
子どもの食事において”雰囲気作り”が大切な理由
・食事の一番の目的は栄養を摂取すること
・栄養を摂取する際に自律神経(交感神経、副交感神経)が作用する
・しつけをしすぎてしまうと、交感神経が優位になり、消化機能がうまく働かず、栄養が摂取できなくなる可能性がある
食事のマナーを伝える時は
- 短くコンパクトに
- 感情的になりすぎない
この2点を意識して子どもに伝えるようにしましょう!
発達を理解して楽しく食事をしましょう!
すべての子育てを頑張る人にエールを!