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「ぐるぐる描き」ってどんな意味があるの?
知っているようで、実はちゃんと説明できない子どもの発達。
どんな意味があるの?を学び直し、保育士としてレベルアップしよう!という趣旨です。
今回は子どもの絵について解説します!
子どもが大好きなお絵描きですが、大人がどう見守った方がいいのか?どんな発達が見られるのか?わからなくなったことはありませんか?
子どもはなんで絵をぐるぐる描くの?
どうやって保護者に育ちを伝えたらいいの?
このあとちゃんと絵を描けるようになっていくの?
子どものお絵描きには腕の発達や拇指対向(ぼしたいこう)という指の動きの発達が大きく関わってきます。
それぞれの意味を知ることで関わり方の参考になったり、保護者により丁寧に発達を伝える事ができるようになります。
一緒に勉強していきましょう!
子どもが絵を描き始めるのはいつぐらい?
絵を描くのに大切な発達「拇指対向(ぼしたいこう)とは?」
子どもは絵を描き始めるのはいつぐらいからでしょう?
もちろん、色々な形で早めに始めることはできるかもしれませんが、子どもが自分の力でペンやクレヨンを握り、自由に絵を描くようになるのは1歳ぐらいからになります。
しかし、この時期は個人差が大きい時期です、決まった年齢になっても行動が見られない時があります。
発達の目安として、拇指対向(ぼしたいこう)ができてきたら、ペンやクレヨンを握って絵を描くことができるようになるでしょう。
- 拇指対向(ぼしたいこう)とは?
- 親指と人差し指を向かい合わせて使うこと。
拇指対向がどんどん発達していくと、より細やかに物を持てるようになります。
例えば、ティッシュをつまむ、本のページをめくる、紐をほどく、積み木を重ねるなど、この時期から見られるようになります。
赤ちゃんがティッシュを出しまくる理由はここにあるんですね!
感覚が面白かったり、拇指対向を鍛えているのでしょうね。
手指の発達は脳の発達に密接に関連し、身体機能・精神発達にも影響を及ぼすと考えられています。
ティッシュを破られるのはストレスが溜まりそうですが…子どもの手指運動は保障してあげたいものです。
ちなみに、こびと園長の娘、むすめこびとはこのオーガンジーで疑似ティッシュを作ったら、ハマりました。
色々な色があるのと、シュルシュル~という感覚が気持ちよかったみたいです。
無限・破られない・見た目も綺麗、というのが最高でした。
まずは直線から
1歳ごろになると、いよいよペンやクレヨンを握り、絵を描いていきます。
しかし、先ほど説明した拇指対向はまだ発達途中です。
なので、肩を軸として、腕を上下左右に動かします。
この段階では点々や縦線、横線などの直線を描いていきます。
ダイナミックに描くから気持ちいいですよね!
いよいよ始まるぐるぐる描き
1歳6か月になると、肩だけの動きではなく、次第に肘を軸に動かす事が出来るようになります。
さらには肩と肘を連動させることで、ぐるぐると円を描けるようになります。
ぐるぐる描きをするにもちゃんと段階があるのですね!
この「体の様々な部位が連動する」というのは一見普通の事ですが、発達という面ではとても大事なのです。
この時期の描写の特徴としては、円・短形・十字形などのシンボルを1つ書くことも特徴的です。
進化する「ぐるぐる描き」
2歳を過ぎるころには、手首を軸にしたぐるぐるを描くようになります。
大きな動作から、小さな動作で円を描けるようになる、より効率的な動きができるようになる、これは紛れもなく成長の証と言えます。
さらに描く内容も、円を複数組み合わせたり、線を足していったり、少しずつイメージを持って描いていきます。
ここから更にイメージが発展すると、人の顔を描いてみたり、木を描いてみたり、いわゆる絵画へ繋がっていくのです。
絵と言葉は繋がっている?
絵を描くことと言語の発達は連動しているとも言われています。
例えば、子どもが描いた絵に対して「これなぁに?」と聞くと、子ども達は言葉を尽くして説明してくれます。
自分のイメージしたこと、描いたことを言語化するのは言葉の発達へ繋がります。
また、「ほら、ワンワン描いてみたよ~」など一緒に絵を描きながら、自分の説明をしてあげることで、犬の視覚=ワンワン、という言葉が結び付くのです。
また自分の考えたキャラクターに名前をつけたり、設定を話したり…絵を描くことで話す能力にも繋がっていくので、一緒に楽しく絵を描く時間も大切にしたいですね。
私も小さいころオリジナルのキャラクター描いていました!
子どものお絵描きで大切にしたいこと
子どもにとって絵を描くことの意味や大切さを解説してきました。
それでは、大人はどのような事に気をつければ良いのでしょう?
すぐに描ける環境を整える.
まずは絵を気軽に書く環境を整えることが大切です。
保育園ではある程度環境が用意されていると思うので、今回は家でのバージョンの説明をします。
家で遊んでいる場合、子どもが「おえかきしたい!」となった時、正直少し面倒臭いですよね?
紙を用意して…クレヨンとペンを用意して…机が汚れないようにシートを敷いて…やる事はたくさんです。
その割に書き始めたら、すぐに「やーめた」となり、準備の時間の方が大変だった…となるケースもありますよね。
むすめこびとは最近までまさにこれでした…。
子どもにとっても大人にとっても、お絵描きまでのハードルを下げる環境作りが大切です。
その為にはお絵描き専用の机を用意してあげると良いでしょう。
ちなみにこびと園長はこの商品を使っています。
1660円と、とにかく安さ重視!ある程度雑に使っても良い、収納があるので便利です。
発達に合った道具を用意する。
これまで解説した通り、ぐるぐる描き1つをとっても、様々な発達を経て到達します。
その際に発達に合っていないものを用意してしまうと、上手く描けなかったり、使い方によっては怪我をしてしまいます。
子どもの発達に合った道具を用意することが大切です。
1歳~
1歳であればベビーコロールがオススメです。
オススメポイント
・握りやすく、柔らかいフォルムで初めての赤ちゃんにも抵抗なく使用できます。
・通常のクレヨンと違い、舐めても大丈夫な素材です。
・積み重ね出来るので、クレヨン以外でも遊びが広がります。
保育園でも使っています!
もはや定番商品となりつつありますね。
1歳6か月~
は拇指対向がしっかりしてくるので、もう少しペン型のものにしても大丈夫です。
色も少しずつ色の名前を憶えてきたり、好きな色も出始めるので、色数を増やしてもいいと思います。
オススメポイント
・クレヨン等の老舗メーカーで安心感のあるクオリティ。
・値段が手ごろで使いやすい。
・握るのにちょうど良い太さで、色数も多い。
一度は聞いたことあるメーカーだと思います。
やはり老舗のメーカーは作りが考えこまれている物が多く、安心感を持って子どもに提供できます。
色味もとても素敵なので、ぜひお子さまと一緒に絵を描いてみてください。
こびとむすめも「あお!あお!」と喜んで使っています。
2歳~
2歳を超えたあたりであれば、様々な素材に触れ合うことも大事です。
紙質を変えてみる、絵具を使ってみるなど、色々な素材に触れてみましょう。
指先がかなり器用になってきます。
また、描きたいもののイメージが少しずつ出始めてきます。
色数の多いものにする、ペン先が細かいものにして描き込める、などの物を選ぶと良いでしょう。
こびと園長の園ではこれを使用しています。
オススメポイント
・色合いが良い
・描き心地がなめらか
・芯が折れにくい
色えんぴつにしては少し高価ですが、色合いが素敵です!
様々な道具を使う事も有効です。
絵の具、スタンプ、ボールペン、サインペン、描く道具だけでもたくさんあります。
自分を表現する幅を持たせるために、様々な道具を用意してあげると子どもも集中して描けます。
大人はどう見守ればいい?
これまで、お絵描きの発達や環境について解説してきました。
さて、これらを踏まえた上で大人はどのように見守れば良いのでしょう?
ポイントは発達に合わせておこなうことが大切です。
上記で解説したとおり、お絵描きにも意味があり、発達の段階があります。
段階を踏まえて、大人も距離感を変えていくことが大切です。
各年齢の大人が大切にしたい関わりをまとめた表がこちらになります。
年齢 | 大人の関わり |
1歳~ | ・とにかくやりたい!時にすぐにできる環境を整える。 ・楽しい気持ちを言葉にして共感する。「楽しいね」「いっぱい描けたね」など |
2歳~ | ・イメージが膨らむ時期。先入観を与えないように、大人の手本は控える。 ・「これなぁに?」など子どものイメージを引き出す声掛けをすると〇。 |
3歳~ | ・自分で目的を持って絵を描き始める時期。一緒に絵を描くことを楽しみましょう。 ・「これはどういうキャラ?」「好きな食べ物は?」「どんな人なの?」など子どものイメージが膨らむような声掛けや会話を楽しみましょう。 |
まとめ
今回は子どものぐるぐる描き、お絵描きの発達について解説しました。
お絵描きのポイント
・子どもの物を持つ力、拇指対向の発達によりお絵描きが始まる。
・始めは肩、次に肘、手首と身体の発達が連動することにより、絵の内容が変わる。
・絵を描く上で大事なのは、発達に合った環境・道具をそろえる事。
・大人の関わりや声掛けも発達によって変わる。
ここに記載されている年齢や関わりはあくまで目安です。
本当に大切なのは、目の前の子どもの気持ちに寄り添う事、一緒に楽しむことだと思います。
出来る範囲で大丈夫ですので、お絵描きを一緒に楽しんでみてください。
子どもに関わる全ての人にエールを!