「いないいないばぁ」の驚くべき意味…!現役保育園園長が解説します!発達の意味を知ろうシリーズ
2022.11.05更新

「いないいないばぁ」ってどんな意味があるの?
おそらく子どもとかかわったことがある人でしたら誰もが一度はやったことのある「いないいないばぁ」。
しかし、「いないいないばぁ」からどのような発達が見えるか、なぜこの遊びは赤ちゃんが好きなのか、ちゃんと説明できる人は意外と少ないと思います。
普段何気なく遊んでいる遊びだからこそ、どのような意味があるのかをちゃんと知っておきたいですよね。
いないいないばぁの知識を保護者に説明すると、それだけで”保育の専門家”としての箔がつきます。
ぜひ、一緒に勉強しましょう。
子どもの発達の意味を知ろうシリーズ
「いないいないばぁ」

いないいないばぁ…赤ちゃんと遊ぶときにやりますけど、なんで好きなんですかね?

そこにもちゃんと理由があります。
いないいないばぁってどんな意味があるの?
いないいないばぁから見える認知発達は3つ。
一般的にいないいないばぁは生後6か月ころから始まると言われています。(個人差はあります。)
それまでは赤ちゃんの前におもちゃなどを置くと、手を伸ばして触ろうとします。
しかし、目の前にあるおもちゃを布などで隠すと、手を伸ばすのをやめてしまいます。
さらには、まるでそこに初めからおもちゃがなかったかのように振舞います。
これはどういう事でしょうか?
そこには赤ちゃんの認知の発達が関係してくるのです。

認知ってなんでしたっけ?
- 認知能力とは?
- 視覚や聴覚などによって外部から得られた情報をもとにして、周囲の物事や自分の状態を正しく把握し、適切に行動するための、脳の高度な機能。記憶・思考・判断・理解・計算・学習・言語といった知的機能の総称。(引用:weblio辞典)
キーワードは3つあります。
- 永続性
- 短期記憶
- 未来予測
いないいないばぁ発達のキーワード「永続性」
対象物が視界から消えても、「まだそこにあるハズだ」と考えることを対象の永続性と言います。
大人からすると、当たり前のことですが、生まれたての赤ちゃんはこの能力がまだ備わっていません。
なので、おもちゃが視界から消えると「この世から消えてしまった」と認識するのです。
この認知能力がいないいないばぁの遊びと大きく関わってくるのです。
対象の永続性はいつから芽生える?
一般的に対象の永続性は生後8か月~10カ月ごろに芽生えると言われています。
この対象の永続性を育む遊びが「いないいないばぁ」なのです。
大人の顔を隠して「いないいない」とし、「ばぁ」と笑顔で出てきます。
そうすると、段々「見えないけれど、実はあるんだ」という予測を赤ちゃんがし始めるのです。
繰り返しやっていると「見えないけど、実はあるんだ」という経験が赤ちゃんの中に芽生えます。
すると布で隠したおもちゃを発見するようになったり、大人が見えなくなっても安心したり、目に見えないものを認識する力に繋がります。
いないいないばぁで喜ぶのは未来が見えているから?
いないいないばぁを繰り返すことで、赤ちゃんの短期記憶や未来予測にも繋がります。
「いないいない」の段階では(実はいるぞ、知っているんだ…!)と赤ちゃんは思います。
そして「ばぁ!」で大人の顔が見えると(やっぱりいたー!)と自分の予想が当たるから喜ぶわけです。
短期間の出来事を記憶したり、未来を予想する赤ちゃんの能力を育む遊び。
それがいないいないばぁの本質なのです。
実は世界で行われている「いないいないばぁ」
実は「いないいないばぁ」は日本だけの遊びではありません。
世界各地で行われているのです。
- 世界のいないいないばぁまとめ
- ・英語「Peek-a-boo(ピーカ・ブー)」
・フランス語「Cache-che cou-cou(カシュカシュ・クークー)」
・ドイツ語「Gugus dada(グーグス ダーダッ)」
・イタリア語「Bao bao cette(バォバォ シェッテ)」

最近では「しなぷしゅ」という番組で世界中のいないいないばぁが取り上げられてます!

世界中でやられている、という事は子どもの本質を捉えた遊びという事ですね。
いないいないばぁで育まれる能力まとめ
「いないいないばぁ」で見える発達は以下の3つ。
いないいないばぁで見える発達
・対象の永続性
・短期記憶
・未来予測
・対象の永続性
8か月~10か月頃に芽生える。
このころまでは赤ちゃんは目の前の玩具を布などで隠すと、なくなったような挙動をすることから、「目に見える世界」しか認識できていない。
しかし、対象の永続性が育まれていると「見えないけど、そこにある!」という事を理解している。
・短期記憶
「いないいない…」で大人が隠れても、短期的な記憶が残っているため「見えないけど、そこにいるんだ!」と記憶している。
・未来予測
「いないいない…」の部分で『くるぞ…くるぞ…』と未来を予測し、「ばぁ!」の部分で『やっぱりきたー!』と予測を確信に変える。
自分の予想が当たったことから、赤ちゃんはいないいないばぁで喜ぶとされている。
いないいないばぁは世界中で行われており、色々な言語のいないいないばぁがある。
以上です。
いないいないばぁの遊びから見える発達を正しく知り、保育士としての深みを増しましょう!
子どもと関わる全て人へエールを!!