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トイレトレーニングはいつから?どうやる?現役保育園園長が発達を解説します!
はぁ…。
どうしたんじゃ?こびとちゃん?
子どものトイレトレーニングをしているんですけど…なかなか上手くいかなくて。
そうかぁ…それは大変じゃなぁ。
トイレは嫌がるし、失敗しておもらししちゃうし…。
ダメだとわかっても、ついイライラしちゃうんですよね。
それは困ったのぅ…。ちなみにこびとちゃんは排泄の発達の仕組みは知っているかい?
トイレに行きたがったら、行く…でいいんじゃないですか?
それで上手くいけばいいんじゃが…いかないと怒ったりすることになっちゃうんじゃ。
ちゃんと勉強すると上手くいかなかった時に気持ちが楽になるぞい!
1歳を過ぎ、そろそろトイレのトレーニングを始めようと考えている方も多いのではないかと思います。
トイレトレーニングでのお悩み
・とりあえずトイレに誘うけど…子どもが「イヤッ!」と言って、なかなか進まない。
・そもそもあまりトイレに興味がない。
・パンツに移行しようと思うけど、失敗が多く、このままで大丈夫かわからない。
・なんて声掛けをすればいいかわからない。
こんな風に悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
結論から言えば、トイレトレーニングは単にオムツを取るための手順ではなく、心の育ちと密接しています。
それゆえに、しっかりと排泄の仕組みと心の育ちを理解することが大切です。
こどもとの信頼関係を育む上で、とても大事な営みです。
トイレトレーニングを通して育まれるもの
・自分を受け入れてもらう経験
・自己決定する力の基礎
・排泄の成功体験を通した自己肯定感
どのように向き合っていけばいいのか、解説します。
- この記事を読むとわかること
- ・排泄の仕組み
・トイレトレーニングの向き合い方
トイレトレーニングの心構え2選
トイレトレーニングに正解はない。
だからこそ、仕組みや発達を知ることが大事。
トイレトレーニングの進め方が難しいとされているのは、発達による個人差が大きいからです。
また、トイレトレーニングを始める時期は、子どもの自我が発達する時期と重なります。
自分でやりたい!となったり、イヤイヤしたり…個性が発揮されてきます。
トイレにポジティブなイメージを持っている子、ネガティブなイメージを持っている子、ポジティブだったけど…途中から嫌になってくる子など、さまざまです。
つまり、トイレトレーニングにこれが正解!という事はないのです。
だからこそ、おしっこの仕組みや発達を理解しておくことが大切になってきます。
発達や仕組みをちゃんと理解しておけば、あとは子どもに合わせて働きかけるだけです。
気持ちもかなり楽になるでしょう。
おしっこ・ウンチ・夜のおしっこの発達はそれぞれ全部違う。
排尿(おしっこ)・排便(うんち)・夜間排尿(よるのおしっこ)の発達はそれぞれ別物という事をご存じでしょうか?
一般的に”トイレトレーニング”で一括りにされがちです。
そうなると
- 日中はパンツになれたのに…おねしょが続いて失敗!と感じてしまう。
- ウンチを伝えられず、もらしてしまい、「もーなんで!」と感じてしまう。
- いつまで経ってもトイレトレーニングが終わらないような気がしてしまう。
このように感じてしまう方がでてきてしまうかもしれませんが、そうではありません。
一つひとつちゃんと成功しています。それを子どもと一緒に喜ぶことが大切です。
それだけでも、気持ちが楽になってくるハズです。
おねしょやウンチまで解説するとボリュームが多すぎるので、今回はおしっこに注力してお届けします!
トイレトレーニングにおける発達
トイレトレーニングはいつから始める?
トイレトレーニングはいつ頃から始めるべきなのでしょうか?
米国の小児科学会では次のように示しています。
- トイレトレーニングを始める前の子どものサイン
- ・昼寝の後おむつがぬれていない
・子どもが単純な指示に従うことができる
・普通のパンツをはきたがる
・トイレに関心をもつ
・自分で服をぬぐことができる
これらのサインが出るのがおおよそ、2歳半~3歳ごろです。
しかし、あくまで発達は個人差があるので、本人が興味を持ち始めたら行うのが良いでしょう。
発達や仕組みを知ろう!
生まれたての赤ちゃんに「ハンバーグを食べなさい」とはなりませんよね。
胃や腸の発達がされていないですし、歯も生えていません。当然食べるのは無理です。
まずはミルク、次に離乳食、幼児食…と発達に合わせて段階がありますよね。
トイレトレーニングも同じです。発達があり、段階があります。
トイレトレーニングを進める上で大切なのは、2つの発達が関係しているのを知り、発達に合わせた取り組みをすることです。
膀胱容量(ぼうこうようりょう)
膀胱容量(ぼうこうようりょう)とは…膀胱の中におしっこを溜めておける容量のことです。
子どもの膀胱容量は少しずつ大きくなっていきます。
おしっこが溜められる容量は大きくなるにつれて、少しずつ増えていきます。
大脳皮質(だいのうひしつ)
大脳皮質(だいのうひしつ)とは…おしっこをしたい!と感じる部分のことです。
おしっこがしたくなる仕組み
2つの発達が大事、と見てきましたが、これがどのように関わってくるのでしょう?
以下の図がおしっこを感じる図です。
全部を覚える必要ありません。ざっくりとイメージだけでも知っておくと良いでしょう。
膀胱(ぼうこう)におしっこが溜まると、膀胱内部に圧がかかり、脳に”おしっこがしたい”という信号が送られる。
そんな仕組みなんだ…と覚えておいてもらえればOKです。
それぞれの発達を見てみよう。
基本的にトイレトレーニングには4つの段階があるとされています。
- 新生児期(生後1か月まで)
- 乳児期(~1歳くらいまで)
- 幼児期前半(1歳~3歳くらい)
- 幼児期後半(4歳~5歳くらい)
それぞれ見ていきましょう。
お子さんに当てはまる部分を見てもらえば大丈夫ですが、発達は連続しています。
クリアしていない場合、少し前の発達をチェックする必要があります。
もし、お時間に余裕があれば、それぞれ通してみて頂くことをオススメします。
新生児期(生後1か月まで)
発達
- 膀胱容量(おしっこを溜める)…大声で泣いたり、動いておしっこをする。反射で出ている。
- 大脳皮質(おしっこを感じる)…発達は未熟なので、尿意を感じてはいない。
関わり方のポイント
「不快」を「快」に変える。赤ちゃんとの関係作りの第一歩ですね!
最初の信頼関係を「愛着」と呼びます。
「愛着」をもとに子ども達は世界を広げていきます。
乳幼児期(~1歳くらいまで)
発達
- 膀胱容量(おしっこを溜める)…40ml~50ml
- 大脳皮質(おしっこを感じる)…反射的排尿から、意識的な排尿への移行期
関わり方のポイント
トイレを「イヤッ」とする時の子どもの気持ち
・オムツを交換される意味がよくわからない。
・交換される時の体の接触を「不快」に感じる。
・まだ遊んでいたい。
・もっと動いていたい。
子どもの中にも色々な感情、意見がでてきています。
オムツを替えるのを嫌がり、ネガティブに感じてしまうかもしれませんが、成長と捉えましょう。
「なんでオムツを替えるのが嫌なのかな?」と考えていくようにしましょう。
「オシリ痛くなっちゃうよ」
「待ってるからね~!」
など、理由を伝えながら、自分から交換しようとするタイミングを待ってみましょう。
トイレだけじゃなく色々なことにも言えますね!
この時期に「気持ちをわかってもらえた」という経験が自信や安心に繋がり子どもの世界を広げます。とても大事な時期です。
幼児期前半(1歳~3歳くらい)
発達
- 膀胱容量(おしっこを溜める)…50ml~100ml
- 大脳皮質(おしっこを感じる)…少しずつ尿意を感じるようになってくる。
関わり方のポイント
このぐらいの時期になると、膀胱容量も増え、尿意を知覚する力も発達します。
つまり、子ども自身が排泄の意志を伝えることができるようにもなります。
意志を伝えるのが難しくても、もじもじしたり、落ち着きがなくなるなど、排泄のサインを大人がつかめるようになるのもこの時期です。
排泄排泄の間隔もおよそ一定になるので、排泄のサインや活動の区切りなど、その子の間隔に合わせてトイレに誘い、トイレで出来ると気持ちいい感覚を増やしていきましょう。
トイレが嫌になったら?オススメアイテム
トイレに行くのを嫌がったらどうすればいいですか?
トイレトレーニングをしていると、必ずと言っていいほど、子どもがトイレに行くのを嫌がる時期がきます。
そのような時は無理強いせず、子どもの機嫌に応じて誘ってみたり、トイレを楽しい空間にする工夫などをしてみると良いでしょう。
アンパンマンが大好きなこびと娘はこのアイテムを使っています。
オススメポイント
・好きなキャラクターがいることでトイレへ向かうモチベーションが上がる
・自分で登ることができる。
・オマルよりも場所を取らず、衛生的に使える。
トイレに何も楽しみがないと、子どもも嫌になる時があります。
そんな時に「アンパンマンに会いに行こうよ!」と誘うと、トイレに向かう動機の1つになるのです。
さらに、このアイテムは自分で登ることもできます。
登ることも楽しんでいるようで、娘はトイレに座るだけで満足そうな表情を浮かべています。
他にもトイレに興味が出るような絵本もたくさん出ているので、一緒に読むのもオススメです。
おしっこができなくても「上手に登れたね」など、褒めポイントになりますね!
トイレに興味を持てるオススメ絵本
よく、「トイレにおもちゃを持って行ってしまうんです…」というお悩みをお聞きします。
よく、「トイレにおもちゃを持って行ってしまうんです…」というお悩みをお聞きします。
おもちゃをトイレに持っていくのは、お互いが気持ちよくトイレに向かえるのであれば、個人的には全然OKです。
衛生的に持ち込むと汚れてしまうので「ここに置いておこうね」と誘い、トイレはトイレで集中しても良いと思います。
はじめはおもちゃを持って…次第におもちゃを置いて…と少しずつステップアップしていけば良いのです。
まずはトイレが嫌いにならないこと、これが一番大切です。
トイレが嫌になり、子どもも大人もゲッソリ…なんてことにならないように、お子さんの好みに合わせて、トイレを楽しい空間にしていきましょう!
幼児期後半(4~5歳)
発達
- 膀胱容量…100ml~150ml
- 大脳皮質…尿意を感じ取り、自分の意志でおしっこをしたり、我慢できるようになる。
関わり方のポイント
3~5歳になってくると、膀胱容量や大脳皮質の発達も進み、尿意を感じてもトイレまで出さないように我慢できるなど、排尿を自分の意志でコントロールできるようになっていきます。
この時に気を付けるべきポイントとして「時間で管理しすぎないこと」です。
前はポイントで行くようにしたのに…今度はダメなんですか?
最終段階、自立に近づいているためですね。
先ほども書いたように、この時期ではもう自分で尿をためることができ、尿意を感じる事も出来ます。
つまり、自分でコントロールしていく事が大切になってくるのです。
大人が時間で管理すれば、失敗は少なくなるでしょう。
しかし、自分で尿意を感じてトイレに行く、という事を判断していかないと、結果的に自分でコントロールできなくなり、自立が遅れる可能性があります。
多少の失敗は大丈夫です。
失敗しても叱るようなことはせず、「次はトイレいこうね!」など子どもの気持ちを受け止める声掛けをしてあげてください。
それぞれの性別に合った便器を使用し始めましょう。
はじめは下半身の衣服を全て脱衣しておしっこをする所から始め、少しずつ半分にする、下着の上や裾から出す…といったように段階を踏んで練習していきましょう。
これらも絵本を一緒に読みながら、少しずつやり方を伝えていくと良いと思います。
男の子のトイレにフォーカスした絵本
女の子のトイレにフォーカスしたオススメ絵本
清潔習慣は大人が伝える
その子の清潔習慣は家庭の色がよく出る、と言われています。
子どもには衛生観念を理解するのは難しいので、大人を手本としながら、それが当たり前になってきます。
大人が清潔管理をしっかり行い、意味や意図を子どもに伝えていくことが、子どもの清潔習慣に繋がります。
目には見えない分、難しいところもありますが、絵本なども活用しながら、根気よく伝えていきましょう。
トイレトレーニングで大切にしたいこと
これまで、トイレトレーニングの発達について解説してきました。
トイレトレーニングは発達上、とても大切です。
それは単にオムツが取れる!という事だけではありません。
トイレトレーニングを通して育まれるもの
・自分を受け入れてもらう
・自己決定する力の基礎が育まれる、
・排泄の成功体験を通して自己肯定感に繋がる
人格としての成長にとっても重要な役割を占めているからです。
保育士や親としても、トイレトレーニングの意味や大切さを知り、子どもと一緒に成長できることを願っております。
まとめ
- 排泄の発達は自我の発達と同時期に起こります。個人差が大きいので仕組みや発達を知ることが大切。
- 排尿、ウンチ、おねしょの発達はそれぞれ全部違います。
- 昼寝の後おむつがぬれていない
- 子どもが単純な指示に従うことができる
- 普通のパンツをはきたがる
- トイレに関心をもつ
- 自分で服をぬぐことができる
・発達には2つのポイントがあります。
- 膀胱容量…おしっこを溜める力。
- 大脳皮質…尿意を感じ取る力。
・おしっこがしたくなる仕組み
膀胱に尿が溜まると、膀胱内に圧がかかり、大脳皮質に伝わります。
発達
- 膀胱容量…大声で泣いたり、動いておしっこをする。反射で出ている。
- 大脳皮質…発達は未熟なので、尿意を感じてはいない。
関わり方のポイント
★「快」と「不快」を感じるところから
発達
- 膀胱容量…40ml~50ml
- 大脳皮質…反射的排尿から、意識的な排尿への移行期
関わり方のポイント
「イヤ」の背景を受け止めることが大切。
発達
- 膀胱容量…50ml~100ml
- 大脳皮質…少しずつ尿意を感じるようになってくる。
関わり方のポイント
トイレを楽しい空間にしましょう
発達
- 膀胱容量…100ml~150ml
- 大脳皮質…尿意を感じ取り、自分の意志でおしっこをしたり、我慢できるようになる。
関わり方のポイント
時間でおしっこを管理しないこと。
子どもにとってトイレトレーニングや排泄の自立は重要!
なぜなら…
- 自分を受け入れてもらう
- 自己決定する力の基礎が育まれる、
- 排泄の成功体験を通して自己肯定感に繋がる
人格としての成長にとっても重要な役割を占めているから
以上となります。
今回の記事は同じブログ仲間であるきくちまきさんのリクエストで記事を作成致しました。
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その他にも保育の中身、制度、人間関係、質の向上、給与、転職…。
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