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保育に関するニュースは興味あるけど…時間もないし、ネットで調べるのも大変…。
そんな方のために、保育に関するニュースをまとめました。
これを見ておけば、最新の保育ニュースはおおよそチェックすることができます。
ぜひ、ご覧ください。
現職議員や選挙立候補者の保育所利用「認定」 熊本県内の全45市町村 子育て世代の政治参加へ改善進む
現職の議員や立候補者の子どもの保育所利用について、熊本県内の全45市町村が「認定する」としていることが、熊本日日新聞の取材で分かった。こども家庭庁が8月、政治活動や選挙活動が保育所利用の要件に認められると通知したことを踏まえた。
これまでは自治体によって判断に差があり、「子育て世代の政治参加を阻む障壁になっている」との指摘があった。通知が出る前から認定する方針を決めていたのは24市町村で、改善が進んだ。
2023年11月5日熊本日日新聞
熊本で「現職議員や選挙立候補者も保育所利用を認める」という動きがありました。
もともとは2023年上半期、子どもを抱っこしながら選挙活動をおこなった女性候補者が”選法違反ではないか”と報道され、波紋を呼びました。女性の選挙活動におけるルールの曖昧さが浮き彫りになったのです。
曖昧なルールの中に「選挙活動のために会社を退職したり、仕事を減らしたりすると、就労要件を満たさないとみなされ、保育園を退所しなければならないケースがある」とされました。
それで退所させられてしまったら、子どももかわいそうですね…。
国会においてもこの話題が答弁で取り上げられ、岸田総理から改めて「“子どもがいる候補者 選挙活動時 保育所の利用可能”」という共通の認識が取られました。
この答弁を受けて、こども家庭庁から改めて選挙立候補者の保育所利用について通達を出したというわけです。
全国的に共通認識されていくでしょうね。
令和5年内閣府『女性活躍・男女共同参画における現状と課題』によると、日本における女性議員の割合は衆議院で10%、参議院で26%、都道府県議会では11.8%、市区町村議会では15.4%と…平均で15%程度です。
同資料の女性議員比率の国際比較では、190か国中165位と女性議員の割合はかなり低い水準となっています。
(画像:『女性活躍・男女共同参画における現状と課題』令和5年内閣府男女共同参画局)
この水準の低さの背景にはルールの曖昧さや、支援体制の脆弱さも要因としてあるのかもしれません。少しずつ、女性が活躍しやすい社会へ取り組みがされていく事を願っています。
保育所職員の虐待に通報義務 こども家庭庁、児童福祉法改正へ
こども家庭庁は7日、保育所や認定こども園などの職員による虐待について、発見した人に通報義務を課す制度改正の概要を示した。同庁の調査で「不適切保育」に虐待事案が含まれていることが明らかになり、対応が求められていた。早ければ、来年の通常国会に児童福祉法などの改正案を提出する。
7日のこども家庭審議会の委員会で示した。同庁によると、保育所などの職員による虐待を発見した人に通報を義務づける。対象は、保育所や認定こども園、認可外保育所など。幼稚園などは所管の文部科学省が対応を進める。
2023年11月7日朝日新聞デジタル
保育所や認定こども園などの職員が、子どもに対して虐待等をおこなっていた場合、発見した人に通報義務が課せられるよう児童福祉法が改正される予定です。
むしろ、今までなかったのですね…!
現在の法制度では、福祉における通報義務の一覧は以下のようになっています。
職員の通報義務 | 通報を受けた際の適切な権限行使 | 都道府県による事案の公表 | 国による調査・研究 | 国によるガイドライン等の有無 | |
児童養護施設等職員による虐待 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
障害児者施設職員による虐待 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
高齢者施設職員による虐待 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
保育所等職員による虐待 | × | 〇 | × | × | 〇 |
昨年より「虐待等と疑われる事案(不適切な保育)」が大きく取り扱われ、児童福祉法が見直される予定になっています。
通報義務が発生する対象施設は以下の通りです。
- 保育所
- 幼保連携型認定こども園
- 地域型保育事業
- 認可外保施設
- 一時預かり事業
- 病児保育事業
- こども誰でも通園制度(仮称)を行う事業
- 放課後児童健全育成事業
- 子育て短期支援事業
- 児童育成支援拠点事業
- 児童館等
幼稚園は文部科学省の管轄なので、児童福祉法の改正では適用されませんが、同様の措置が取られることになっています。
こういう時に幼保統一していないと面倒くさいですよね…さっさと統一しちゃえばいいのに…。
早ければ2024年中にも児童福祉法が改正されるかもしれません。
法改正はしっかり把握しておきたいものですね。
「こども誰でも通園制度」年度内に拡大へ 「親子通園」も可能に
保護者の就労要件を問わずに保育所などを利用できる「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設に向け、こども家庭庁は、実施中のモデル事業について、今年度中にも拡大する方針だ。8日に開かれる有識者の検討会に、「親子通園も可能」といった実施方針の骨格案を提示する。
制度の恒久化に向けて、同庁は来年の通常国会に、実施方針を反映させた関連法案を提出する方針だ。
2023年11月7日朝日新聞デジタル
こども誰でも通園制度は2024年度から本格的に実施される予定ですが、実施中のモデル事業を今年度中にも拡大する方針のようです。その中で親子通園も可能といった、変更点も出されています。
対象が0歳6カ月~2歳だけに…慣れるのも時間かかりますものね。
こども誰でも通園制度はこれまでのモデル事業をもとに、現在でも検討が進められています。
11月には中間発表もされ、かなり具体的な内容まで公開しています。
興味のある方はご覧ください。
『ほいくぶ』でもこども誰でも通園制度の解説をしていますので、よければご覧ください。
「地域限定保育士」制度、全国展開で法改正へ 保育士不足対策の一環
地域限定保育士ってなんですか?
地域限定保育士とは?
正式名称は『国家戦略特別区域限定保育士』です。自治体が実施する試験に合格すると、3年間はその地域で保育士として働くことができます。(ただし、自治体が保育士確保のため「特に必要があると認める場合」に限ります。)。通常の保育士資格ではピアノ等の実技試験がありますが、地域限定保育士では実技試験を免除し、講習に代えられるようにしているのも特徴です。
今回の法改正案では、地域限定保育士は3年間自治体で保育士として勤務すれば、4年目以降は全国で働けるようになるという旨のものです。
もともとは2015年、待機児童問題解消における保育士不足を補うための制度でしたが、今後も続く保育業界の慢性的な人材不足を補うために法改革を進めるようです。
ただ、自治体の試験合格後に登録だけし、現場経験を積まないまま4年目以降に全国で働けるようになってしまうので、全国勤務に際しては、地域限定保育士としての1年以上の勤務経験や、研修の受講が要件となる見通しになるそうです。
「なぜ保育士免許を取っても保育士にならない学生が増えたか?」「なぜ離職者が多いのか?」の対策も併せておこなわないことには…慢性的な人手不足の解消は難しいでしょうね。
3~5歳児の小規模保育 全国展開はA型の配置に(子育て支援企画委)
子ども・子育て支援等に関する企画委員会(座長=秋田喜代美・学習院大教授)の初会合が10月31日にあり、制度改正の論点整理が始まった。19人以下の利用定員で原則0~2歳児を対象とする小規模保育事業について、児童福祉法を改正して3~5歳児のみの小規模保育を全国的に可能とすることなどを議論した。(中略)
ただ、小規模保育は職員の資格要件などでA、B、C型の3類型に分かれており、C型は保育士の配置が必須ではない。委員からは保育の質担保の観点などから、全員が保育士資格を持つ必要がある「A型」に限定すべきだとの声が上がった。こうした指摘を踏まえ、配置基準は「A型と同様とする」と整理して分科会に報告することで決着した。
2023年11月13日福祉新聞
19人以下の小規模保育所の対象年齢や対象地域が広がる、というニュースです。
現在は小規模保育所の対象年齢は原則0歳~2歳です。ただ、国家戦略特区(待機児童が多い地域)においては、事業者や自治体の判断で3歳~5歳も受け入れ可能にするなど、対象年齢を広げることができます。
この取り組みを国家戦略特区だけではなく、全国的におこなえるように法改正をする、というのが今回のニュースです。
A・B・C型というのはなんですか?
小規模保育園はそれぞれ分類があり、基準が異なります。
A型 | B型 | C型 | |
定員数 | 6~19人 | 6~19人 | 6~19人 |
保育実施場所 | 保育者の居宅、その他の場所、施設 | 保育者の居宅、その他の場所、施設 | 保育者の居宅、その他の場所、施設 |
職員数 | 0歳児:職員=1:3 1・2歳児以上:職員=1:6 上記の職員数+1名 | 0歳児:職員=1:3 1・2歳児以上:職員=1:6 上記の職員数+1名 | 0~2歳児:職員=3:1 補助者を置く場合は0~2歳児:職員=5:2 |
職員資格 | 保育士 | 1/2以上が保育士 | 家庭的保育者 ※市町村が実施する研修を修了した者。または保育士と同等の知識及び経験があると市町村が認める者。 |
保育室 | 0・1歳:1人あたり3.3㎡ 2歳児:1人あたり1.98㎡ | 0・1歳:1人あたり3.3㎡ 2歳児:1人あたり1.98㎡ | 0~2歳児:1人あたり3.3㎡ |
給食 | 自園調理(連携施設等からの搬入可)、調理設備、調理士 | 自園調理(連携施設等からの搬入可)、調理設備、調理士 | 自園調理(連携施設等からの搬入可)、調理設備、調理士 |
連携施設 | 認定こども園、認可保育所、幼稚園 | 認定こども園、認可保育所、幼稚園 | 認定こども園、認可保育所、幼稚園 |
A型がより認可施設に近い形態ですね。
今回の法改正で全国的に3~5歳も受け入れることができるようになるのは、このA型の施設ということになります。小規模保育園も様々な動きがありますので、今後の動きに注目ですね。
「潜在保育士」を「補助者」雇用で復職後押し、こども家庭庁が来年度から補助金…人手不足の解消狙う
こども家庭庁は来年度、保育士の資格を持ちながら現場を離れている「潜在保育士」の復職支援強化に乗り出す。保育所などが、業務を手伝う保育補助者として雇用した際に補助金を支給する。保育現場の人手不足を解消し、待機児童の受け皿確保につなげる狙いがある。(中略)
2023年11月14日読売新聞オンライン
具体的には、潜在保育士を雇った場合、市区町村を通じて、園児121人未満の施設は年最大約234万円、121人以上の施設には同約468万円を補助する。保育補助者から保育士への移行を促すため、補助期間は最長1年とする。
また、潜在保育士の復職支援を助言する「保育士キャリアアドバイザー」も新設する。
こども家庭庁が保育人材の人手不足の解消として、潜在保育士の復職支援を強化していく方針を出しました。支援内容としては、潜在保育士を保育補助として雇うと、園児の人数に応じて補助の金額が出るようです。また、潜在保育士のキャリア支援アドバイザーを新設し、キャリアの相談にも応じられるようにしていくとのことです。
今月はこういうニュースが特に目立ちますね…。
それだけ、人材不足が深刻化しているのでしょう…。
厚生労働省の『厚生労働白書(令和4年度版)』の中では、保育士登録者は令和2年時点で約167万人です。このうち潜在保育士の数は約102万人でした。
潜在保育士さんってそんなに多いのですね!?
ただ、この『厚生労働白書(令和4年度版)』の中で「保育士として就業を希望しない理由」の調査もおこなわれています。
その中でも最も多いのは「賃金が希望と合わない」、次点に「他業種への興味」「責任の重さ・事故への不安」となっています。
この要因を取り除くアプローチをしないことには、なかなか潜在保育士が復職するのは難しいでしょう。
「他業種への興味」や「責任の重さ・事故への不安」は園のマネジメントである程度改善が可能だと思うのですが…賃金ばかりはどうにもなりません。
短期的なアプローチも大切ですが、配置基準や公定価格の見直しの検討を早急に進めてもらいたいと願うばかりです。
「日本版DBS」条例違反も犯歴照会対象に こども家庭庁が検討
性犯罪歴がある人が子どもと関わる職業に就かないようにするための仕組み「日本版DBS」について、こども家庭庁は、痴漢など自治体が定める条例違反も犯歴を照会できる対象に加える検討に入った。同庁は、来年の通常国会に関連法案を提出することを目指している。
2023年11月24日毎日新聞
臨時国会で提出が見送られていた、日本版DBSですが、制度設計の検討は進んでいるようです。
そもそも日本版DBSってなんですか?
日本版DBSとは?
Disclosure and Barring Service:(犯罪証明管理および発行システム)の頭文字を取ったもので、性犯罪歴のある人は子どもに関わる職業に就くことをできなくなるようにする、子どもを性犯罪から守るシステムのこと。
当初は照会できる犯歴はわいせつ罪など刑法犯を中心に想定していました。
ただ、対象や犯歴が照会できる期間に対しての異論が強く、検討が進められていました。制度では条例違反も照会できるような方針になったようです。
また、「どこまでの期間の犯歴を追えるようにするのがよいか?」という期間の議論をしているようです。あまり長すぎてしまうと就業制限になってしまうため、上限は設定するものの、10年以上犯歴を照会できるようにするようです。
保育士の性犯罪の厳罰化もしましたしね…。
日本版DBSが完成すると、保育園にも大きく影響してくることでしょう。
日本版DBSの今後の動向も注目していきたいですね。
元保育園園長、保育士お悩み解決サイト開発 全国で700人超登録
保育園で園長を務めた経験を生かし、保育士の悩み解決に取り組もうと、IT会社に転職した男性がいる。千葉県市川市出身の石井大輔さん(55)。「ホイクタス」という保育士の悩み解決サイトを2年前に開発し、同市の保育園などを中心に少しずつ利用が広がっている。石井さんは「保育に関する有益な情報交換の場となってほしい」と話している。
2023年11月16日毎日新聞
保育士お悩み解決サイト「ホイクタス」が取り合げられました。
ホイクタスってなんですか?
ホイクタスとは?
株式会社dottが運営する登録制の保育士お悩み解決サイト。保育現場のお悩みを投稿すると、他のユーザーがアドバイスをもらえる。「食事」「排泄」「関係性」などカテゴリーに分けられており、悩み事を検索することもできる。
保育の現場で「これって他の保育園はどうやっているんだろう?」と聞きたくなるような状況はたくさんあります。しかし、なかなか他の園と交流の機会が取りにくい園も中にはあります。
そのような時に、様々な人からアドバイスをもらえる機会があるのは、保育士にとってありがたい事でしょう。
悩みを気軽に相談できるのは嬉しいですね!!
開発した石井大輔さんとお話したことがありますが、とっても熱意のある人です。
このように悩める保育者の力になるサービスがどんどん増えてくれると嬉しいですね。
『ほいくぶ』も負けずに頑張ります✨
「ホイクタス」に興味がある方はコチラ。
まとめ
2023年11月は以下の記事を取り上げました。
2023年も残りわずか!
たくさん学んで、保育士として向上していきましょう!
こどもと関わる全ての人へエールを!