【2023年1月】保育ニュースまとめ[解説]

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【2023年1月】保育ニュースまとめ[解説]

保育に関するニュースをまとめました。

保育に関するニュースは興味あるけど…時間もないし、ネットで調べるのも大変…。

そんな方のために、保育に関するニュースをまとめました。

これを見ておけば、最新の保育ニュースは一通りチェックすることができます。

ぜひ、ご覧ください!

学童保育充実へモデル事業 厚労省、子ども教室と一体化

共働き世帯の小学生を預かる学童保育の充実を目指し、厚生労働省は学童保育と「放課後子ども教室」との一体化を進めている。一体運用の拡大に向けたモデル事業を始め、対策を強化。子どもの学びや遊びの機会を増やすことを狙う。

こびとちゃん
こびとちゃん

「放課後子ども教室」ってなんですか?

放課後子ども教室とは?
子供たちが放課後を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動ができるよう、地域住民等の参画を得て、放課後等に全ての児童を対象として、学習や体験・交流活動などを行う事業のこと。

地域住民とはボランティアや大学生、企業、NPOなどが参加しています。

予習・復習などの学習支援、英会話や工作などの体験プログラム、野球やサッカーなどのスポーツ活動など…活動は様々です。

この放課後児童クラブと学童保育が一体型の運営を目指していきます。

こびとちゃん
こびとちゃん

学童保育と放課後児童教室はどう違うのですか?

こびと園長
こびと園長

学童保育は就労している保護者向け、放課後子ども教室は全児童向けの取り組みです。

放課後児童クラブ(学童保育)放課後子ども教室
対象共働きやひとり親世帯の小学生全児童
内容遊びや生活の場を提供学習支援や交流活動
実施数2万6683か所(2022年5月時点)1万6511か所(2022年1月時点)

待機児童問題同様、女性の就業率の増加に伴い、学童保育の需要も増えました。

しかし、現実には預け先がなく、親が離職を迫られるという…いわゆる「小学校1年生の壁」が問題視されてきました。

政府はこの「放課後子ども教室」と「放課後児童クラブ(学童保育)」を一体化し、受け皿を広げつつ、子どもの体験を豊かにしようとする狙いがあるようです。

2023年度末までに30万人の受け皿を目指す計画をすすめています。

こびと園長
こびと園長

保育所のような「数の増加に伴う質の問題」にならないよう、配慮しながら受け皿を増やせるといいですね。

0歳から2歳までの第2子の保育費を無償化、自治体で取り組み広がり…国政へ?

東京都は「チルドレンファーストな社会実現」を掲げ、第2子の保育料の無償化や、18歳までの子どもに一括6万円を給付することなどを発表しました。

東京都は、都内在住のすべての世帯を対象に、0歳から2歳までの第2子の保育料を所得制限なく全額、無償化すると発表しました。都内ではすでに第3子以降は無償のため、これにより第2子以降の保育料が全額無償となります。10月から開始するということです。

福岡市が令和5年度から子育て支援策として第2子以降の0~2歳の保育料を完全無償化とする方向で調整していることが18日、分かった。所得制限は設けない。多子世帯や困難を抱える子供らへの支援策も検討しており、現在、編成している新年度当初予算案に必要経費を盛り込む。

東京都や福岡市など自治体で大胆な子育て支援策が打ち出され、話題となっています。

こびとちゃん
こびとちゃん

これは保育園に通う保護者にとって大きいですね!

こびと園長
こびと園長

東京や福岡がやるとインパクトが大きいですね…!

現在は3歳以降は保育料が無償化になっているため、実質保育料が無償になる家庭も多いでしょう。

保護者にとっては、とてもありがたいニュースです。

しかし、他の視点から見ると、以下のような懸念点もあります。

  • 子どもの受け皿となる保育士の労働環境改善
  • 財政に余裕のある自治体と余裕のない自治体での格差

これらの懸念から、保育料無償化や児童手当の所得制限撤廃などは、国としてなされていくべきでしょう。

この東京や福岡の取り組みが国政にも影響しはじめてきています。

自民党の茂木敏充幹事長は25日、衆院本会議で代表質問に立ち、中学生以下の子どもがいる世帯に支給される児童手当について、「所得制限を撤廃するべきだ」と述べた。旧民主党政権は児童手当の代わりに所得制限のない「子ども手当」を創設したが、自民党が「バラマキ」と批判。所得制限付きの児童手当を復活させた経緯があり、政策の整合性が問われそうだ。

こびとちゃん
こびとちゃん

自民党の議員でも児童手当の所得制限撤廃の声が出ているのですね…!

こびと園長
こびと園長

自治体の取り組みが国へ影響を及ぼす…良い事例ですね!

国としても子育て支援策をもっと充実させる流れになると良いですね。

不適切な保育関連

園児の顔にひげや眉毛を落書き 保育士らSNSで写真共有(静岡県沼津市)

静岡県沼津市は21日、市内の保育施設で、所長や保育士数人が園児の顔に水性ペンでひげや眉毛を落書きするなどの不適切な保育を行っていたと明らかにした。市は施設に是正を指導し、児童福祉法に基づく立ち入り検査を実施する方針。市によると、0歳児の頬を引っ張ったり、ハロウィーンイベントで怖がる園児を追い回したりするなどの行為もあった。職員は行為の写真をSNSで共有していた。2022年10月ごろまでには行われていたとみられるが、詳しい時期は分かっていない。

仙台市の認可園で不適切保育 暗い部屋に移して給食、園児にデコピン(宮城県仙台市)

【宮城】仙台市太白区の認可保育所で、暗い部屋で園児に給食を食べさせたり、園児のおでこを指ではじいたりする不適切な保育があったとして、市は同園に口頭指導をしたことが分かった。指導は24日付。昨年12月に園の関係者から市に相談があり調査を進めていた。

認定こども園で不適切保育 保育士が1歳園児の頭をたたく(青森県六ケ所村)

 青森県は27日、六ケ所村の保育所型認定こども園「六ケ所村立泊こども園」(定員70人)で、保育士が園児の頭をたたく不適切な保育があったと発表した。さらに同園に対して、ほかに不適切な保育がなかったかどうかや、再発防止策をまとめ、報告するよう文書で通知した。

12月に引き続き、不適切な保育のニュースはいまだ続いています。

こびとちゃん
こびとちゃん

そんなにすぐに解決する問題ではないとはいえ、心が痛みますね…。

12月から一気に注目を浴びた不適切な保育ですが、保育団体や行政はどのように対応しているのでしょう?

保育団体や行政が緊急対応

保育団体や行政は以下の対策を講じています。

  • 緊急セミナーを開催
  • 不適切な保育の実態調査

保育施設における園児虐待事案が相次いで発覚する中、全国保育協議会(奥村尚三会長)と全国保育士会(村松幹子会長)は12月23日、オンラインで緊急セミナーを開催した。両会長は「こどもの最善の利益」を守る保育が実践できているかを改めて確認し、その姿勢や日々の保育活動を地域に発信していくことを呼び掛けた。

奥村会長は一連の虐待事案を受け、「保育士である前に、人として取るべき行動に値しない。他人事と考えずに襟を正し、こどもに向き合ってほしい」と強調。人権に関する研修や保育士会の人権擁護のためのセルフチェックリストなどを活用し、日々の保育を改めて見つめ直すことを求めた。自園での活動内容は地域に積極的に広報して「疑念を払しょくし、信頼回復に努めてほしい」と呼び掛けた

 また、施設長に向け、「職員配置などが言い訳にならぬようにし、二度と(不適切保育を)起こしてはならない」とし、管理体制の徹底も求めた。

保育団体や各自治体で不適切な保育を防ぐためのセミナーや研修会が多く実施されるようになりました。

こびと園長
こびと園長

「子どもの権利」についての研修も多く見かけるようになりました。

こびとちゃん
こびとちゃん

これを機会に学びなおしたいですね。

また不適切な保育をおこなわないための全国的な調査が開始されました。

政府は27日、静岡県裾野市の保育所で発生した園児虐待事件を受け、不適切な保育の件数や対応状況を把握するため、全国の自治体や保育施設を対象とした調査を始めた。回答期限は来年2月までとしている。早い段階で虐待を把握できる環境づくりなどにつなげる狙い。厚生労働省などが発表した。

調査対象期間は今年4~12月。「子どもの人格を尊重しない関わり」などの不適切な保育があったときに相談できる自治体側の窓口の整備状況や、施設内で不適切保育を防ぐための手引などが周知されているかどうかを調べる。

2022年4月~12月の間で不適切な保育の件数を把握するための調査です。

この調査がどのようなものになるのか、注目が集まりそうです。

こびと園長
こびと園長

「2022年4月~12月で不適切な保育が確認された件数を記入してください」と施設長に質問し…その調査結果に信憑性があるのかは、正直わかりませんが…。

さくら園告発取り下げ 園正常化を優先(静岡県裾野市)

静岡県裾野市の「さくら保育園」で保育士3人=いずれも退職=が園児に対する暴行容疑で逮捕された事件で、当時の園長を犯人隠避の疑いで刑事告発していた市は25日、告発を取り下げたことを明らかにした。村田悠市長は記者会見で告発の正当性を主張しつつも、「捜査の負担が園の正常化の妨げにならぬよう判断した」と述べた。

こちらは静岡県裾野市の保育士暴行事件の続報です。

園長が刑事告訴をされた…ということで世間が驚きましたが、刑事告訴は取り下げられたようです。

理由としては以下の2点です。

  • 正常な保育環境を取り戻す努力をしている園に対し、市としてできることはないかと総合的に考えた末の判断
  • 保護者ら300人以上から、園の存続と安定的運営を求める「嘆願書」が提出されていることも考慮

全国的に波紋が起きた事件でしたが、これでひとまずは終着です。

これから適切な運営がされ、子ども達や保護者が安心安全に通える園になることを願っています。

未就園児、30自治体で預かり 保育所空き活用、モデル事業実施

保育所や幼稚園に通っていない0~5歳児の育児負担を軽減するため、政府は4月から、保育所の空き定員を活用した週に数回の定期預かり事業を始める。こうした未就園の子どもは「無園児」とも呼ばれ、周囲のサポートがなければ親子が孤立し、虐待のリスクも高まる恐れがある。2023年度に20~30自治体でモデル事業を実施し、4月に発足するこども家庭庁の重要政策として全国展開を図る。政府関係者が15日、明らかにした。

定員割れをしている保育園に対して、新たな試みが始まります。

定員が埋まらない分を、就労していない保護者の育児支援として、保育園で週2~3日預かる試みです。

この施策は以前より、検討が進められてきたものの1つです。

他の検討されてきたものも、少しずつ実現に向かうことになっていくでしょう。

他の検討について知りたい方は、コチラの記事をご覧ください。

こびと園長
こびと園長

保育園の未来が少しわかると思います。未来を知って、備えていきましょう!

保育所でのおむつ処分推奨 保護者らの負担軽減 加藤厚労相

加藤勝信厚生労働相は23日の閣議後記者会見で、保育所で使用済みとなったおむつについて、保育所での処分を推奨すると発表した。保護者が持ち帰る手間をなくし、負担軽減につなげる狙い。保育所も使用済みおむつを子どもごとに分別する必要がなくなるため、加藤氏は「保育所にとっても負担軽減になる」と強調した。

これまでは自治体の判断で実施されていた「使用済のおむつ処分」ですが、厚生労働省が推奨を公表しました。

オムツを保育園で処分するか、持ち帰りにするか…これまではメリットデメリットがあることから、各自治体の判断とされていました。

使用済みの紙オムツを持ち帰ってもらっていたのにも理由があり、一般的には以下の通りとされています。

使用済み紙オムツを持ち帰ってもらう理由
・オムツ替えの頻度を把握してもらう(適切な回数を替えているか)。
・便の状態をみて子どもの体調を把握してもらう。
・処分費用のコストがかかる(一般ゴミと事業ゴミでは費用が違うため)。
・集団感染リスクを避けるため。
・園に使用済みオムツをまとめて一時保管しておける場所が困難なため。

しかし、これらは保育園での創意工夫や行政の支援があれば、対応が可能な部分です。

保護者支援の意味合いから、紙おむつの処分が保育園になるのは自然な流れだと思います。

こびとちゃん
こびとちゃん

保護者としてはありがたいですね!

「子育ても大事だが、自分の生き方も大切にしたい」、母親の意識が向上

株式会社ベネッセコーポレーションの社内シンクタンクであるベネッセ教育総合研究所は、2022年3月に、首都圏に住む0歳6カ月から6歳(就学前)の乳幼児をもつ保護者4,030名を対象に、「第6回幼児の生活アンケート」を実施した。(中略)

ベネッセ教育総合研究所は、本調査の考察として、2019年の保育・幼児教育の無償化の導入や新型コロナウイルスの流行など、社会の動きとともに、「子育ても大事だが、自分の生き方も大切にしたい」という母親の意識の向上に注目。一方でコロナ禍では「友人・知人」「祖父母」に会う機会が減少し育児負担感や不安感が増加したことから、今後は核家族中心の子育てではなく、社会全体で「チーム育児」を推し進めていくことが必要だと提唱している。

この記事はぜひ、元の記事を読んでいただきたい記事です。

調査結果の概要は以下の通りです。

第6回幼児の生活アンケート概要

・2015年から2022年にかけて、子育ての肯定的な感情は減り、否定的な感情が増えている。

・子育てに否定的な感情ポイントが大幅に上昇している。

・子育ても大事だが、自分の生き方も大切にしたいのポイントが上昇している。

・子育ての情報収集機会や相談の機会が減っている。

・母親以外に子どもを見てくれる人の存在が減り、核家族中心に子育てせざるを得なくなっている状況がうかがえる。

こびとちゃん
こびとちゃん

こうしてみると…お母さん達は大変ななかで子育てしているのですね…。

こびと園長
こびと園長

私たちが支援する保護者の状況を理解するのは、とても大切です。

保護者の意識が変化した要因としては、コロナ禍による対面コミュニケーションの減少が挙げられています。

それだけではなく、日本では様々な要因から子育てに否定的な感情に繋がってしまっているのが現状です。

この記事は最後にこのように締めくくられています。

コロナ禍では「友人・知人」「祖父母」に会う機会が減少し育児負担感や不安感が増加したことから、今後は核家族中心の子育てではなく、社会全体で「チーム育児」を推し進めていくことが必要だと提唱している。

本当にその通りですね。

社会全体で子育てをしていく取り組みがもっと広がることを願っています。

長崎県内 5年以内離職46%…「保育士の働き方改革」 県が支援へ

高い離職率が課題となっている保育士の離職防止・処遇改善を図るため県は本年度、保育事業所の働き方改革の支援事業を始めた。社会保険労務士や、保育士を養成する大学の教授らを講師として現場に派遣し、業務改善への助言や保育の仕事のやりがいを再認識する機会を設けている。2023年度も継続する方針。

長崎県で保育士の働き方改革を行政がサポートする取り組みをしているようです。

取り組み例
・保育現場に精通した社労士が訪問し3回程度、各事業所の職員と面会し、就業規則や給与規定の見直しなどについて助言する。

・保育士養成校の大学教授らも3回程度、各事業所を訪問。保育現場に一緒に入り、乳幼児への有効的な声かけや特別な配慮が必要な子への対応など実践型研修を実施した。

・定年退職後も働く職員の処遇についての就業規則の整備。

・職員の休憩時間の確保。

・小学校に引き継ぐ「要録」の書き方指導。

・アニバーサリー休暇の導入。

保育園のマネジメントは行政対応、労務管理、人材育成、採用…など多岐に渡ります。

園内だけで進めていくのが難しく、頭を抱えている管理者も多いはずです。

こびとちゃん
こびとちゃん

これはありがたいですね!

こびと園長
こびと園長

行政がサポートに入ってくれるのはとてもありがたいですね。この取り組みは全国的に広がってほしいです。

まとめ

今回は以下のニュースを取り上げました!

1か月の間でも保育や子どもを取り巻く環境は大きく変化しています。

ニュースで情報を知り、保育士としてレベルアップしていきましょう!

こびとちゃん
こびとちゃん

2023年もよろしくお願いします!

子どもに関わる全ての人へエールを!