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こびと園長が保育の疑問にお答えします!
保育悩み相談室とは、Twitterで実際に相談を受けた保育の疑問について…こびと園長が独断と偏見でお答えします。
同じような悩みを抱えている方がいたら、参考にしていただけたら嬉しいです。
相談者の方には許可をもらって掲載しています。
個人情報保護の観点より、個人が特定されそうな部分は一部表現を変えています。
今回は「潜在保育士こびとさん」よりお悩みを頂きました。
- 潜在保育士とは?
- 保育士資格を有しているが、現在保育園で就労していない方のことを指します。
2023年1月現在、約76万人の潜在保育士がいるとされています。
久しぶりに保育園で働き始めようと決心した潜在保育士こびとさん。
働く場所を探すにあたり…様々な疑問が生まれたそうです。
そんな疑問にお答えしていきます。
どんどん疑問に答えていきましょう!
今回のお悩み相談者の方
- 潜在保育士こびとさん
- 私はいわゆる潜在保育士で働き方も給料面でも他の仕事のほうが割に合っていると思い長年保育士業界から離れていました。
しかし、来年度に地元を離れて新しい生活を初めようと思いました。久々に保育士について調べてみたら、家賃補助があったりと昔より待遇は少しずつ良くなっているのを感じました。
保育士には他の業種にはない、子どもの成長の手助けができるやりがいを思いだし、復帰したいなという思いが芽生えました。
改めて保育士に復帰したい、という方ですね。大歓迎です!
保育園探し中の疑問
グイグイくるのは…危ない職場?
今、求人広告を出しているところに問い合わせをしたら条件が合わなかったので面接の辞退のお願いを送りました。
すると、ではこの条件はどうですか?とこちらに歩み寄って来ていただいたのですが、まだ自分の経歴の詳細を送ったわけではないのにグイグイ来られて、ちょっと引きぎみになってしまいました。
今の時期(8月下旬)、来年度からの職員募集に躍起になるものなのでしょうか? それとも相当な人手不足の職場なのかなぁ?と不安になりました。
こびと園長の回答
この情報だけだと人手不足と判断するのは難しいです。
保育園側の気持ちとしては、やはり人手の確保はかなり厳しい状況ですので、条件の範囲内であれば、条件を変えてでも繋いでおきたい、というのが本音でしょうね。
とりあえず繋いでおけば、人数が足りなくなるリスクを減らせますし、もっと良い人が見つかれば面接で落とす事もできます。
とにかく選択肢を確保しておきたい、という所からそのような対応になっているのだと思います。
採用するなら選択肢は多い方がいいというのが採用する側の心理です。
そういうことからも、これだけでは人手不足なのかどうかは判断できかねますね。
保育園の採用はいつから始めるのですか?
採用活動に躍起になるかどうかは法人の規模にもよるかもしれません。
複数園持っている法人なら大体どこかしらで人事異動あるので、かなり早い段階から採用活動をしています。
小規模〜中規模の法人であれば、大体夏ぐらいに職員に来年度継続するか面談を行い、そこで職員が辞めるかどうかわかる所も多いと思います。
そこから採用活動を始めるので、9月くらいから少しずつ始める保育園が多い印象です(募集する人数にもよって早まることはあるかもしれません)。
保育の専門学校もある程度卒業見込みがある学生が確定する、公立の採用試験の合否が判明するのが、10月になります。
そこから就活解禁…という事をしている学校もあります。
公立の保育士試験に落ちちゃったから、私立の保育園へ就職活動するケースもありますものね。
保育園の内定の辞退は想定している?
何園か問い合わせをしてお会いしたいですと言っていただいている園があります。
こちらとしてはいろいろ見学して面接などもしてお話ししてみたいという考えですが、 面接→採用 が決まることもあると思います。
採用が決まっても何園かそのあとに面接しても良いものでしょうか…?そうなるとせっかくお時間いただいたのにお断りしてしまうことになります。
園側としては秋くらいから採用を始める=来春まで時間があるので辞退される人がいると言うのは想定内ではあるのでしょうか?
法人の規模にもよりますが、面接するのは1~3園にしておくのがオススメです。
大手の株式会社や複数園経営している法人は年中、採用活動しています。
理由としては…以下のような事が考えられます。
- 規模が大きいため、採用計画をしっかり立てている。
- 内定辞退に備えている。
- 常に人材が不足している。
しかし、小~中規模の法人は基本的には辞退される人がいる前提で採用活動をしている所はあまりないのではないかと思います。
なぜなら、保育園は税金で運営され、ほとんどの経費が人件費だからです。
大きい法人でしたら多く雇ってしまっても、どこか足りていない保育園へ配属させればいいわけですが、小規模の法人はそうもいきません。
入ってくる金額は決まっているので、多く雇い過ぎてしまった場合にはリスクとなってしまいます。
そういった所から、基本的にはある程度ぴったりになるように採用人数を調整します.
あんまり内定辞退に備えて、多く採用する…という事はしないというわけですね。
ちなみに法的な面では、内定辞退について民法第627条で以下のように定められています。
第627条
・当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
・期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
・6箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、3箇月前にしなければならない。
早めに内定をもらっておき、次の保育園を探す…というのは方法としてはアリです。
しかし、保育園の都合や内定辞退する時のストレスを考慮すると、面接する園は1~3園にまで絞ることをオススメします。
面接について
手間のかかる実技試験をするのは余裕があるから?
単に面接のみのところもあればピアノや読み聞かせの実技があったりハードルが高いところもあり、人手不足と言われる中、手間のかかる面接を設定している保育園はそこまで人手不足ではないのでしょうか?
こびと園長の回答
面接内容で人手不足かどうか判断するのは難しいです。
採用試験はそれぞれの保育園が独自に定めています。
なぜ採用試験に実技を取り入れているのか、私は以下の3点のどれかだと思っています。
- 保育園が求める職員像に繋がっている
- 保育士資格試験にならっている
- 昔からの慣習
基本的に実技試験をおこなうことと、人手不足には大きく因果関係はない、と考えてよいでしょう。
読み聞かせは何に注意して試験を受ければいい?
読み聞かせに限らず、面接や作文もそうですが、基本的に保育園が求める人物像を把握しておくことが大切です。
「保育士も活発であった方が良い、子どもの注意を惹きまとめる力が大切」という考え方を大切にしているのであれば、抑揚をつけてオーバーにやった方が好印象でしょう。
逆に「保育士は落ち着いていて、黒子の役割をするべき」という事であれば、落ち着いて読んだ方が好印象でしょう。(そもそも、そのような園は読み聞かせを試験内容にいれないかもしれませんが)
保育園の理念や方針から「どんな解答が求められているのかな?」と推察するのが良いと思います。
ちなみに、私の園では読み聞かせや技術系の試験はやりません。
技術は後からついてくるので、価値観が素敵かどうかを重視しています。なので筆記で価値観を書いてもらったり、面接の部分を重要視しています。
面接で人柄を見抜くのは難しいのですけれどね…。
給料について
パートさんの時給…なぜこんなに違うの?
時給や給料の差が園によってかなり違う印象があったのですがなぜこのようなことがあるのでしょうか?
規模や立地で違うということもなく時給980~1200円の差やボーナスなし~4ヶ月の差がなどなど。
こびと園長の回答
求められるものが違うからです。
基本的には保育園の方針や給与規定によるので、一概には言えません。
ただ、パートさんの時給の差があるのはおそらく以下の理由からです。
- 求められる仕事の内容
- 人が確保しにくい時間帯
- できるだけ早く人を確保する必要がある
求められる仕事の内容
時給が高いという事は求められる仕事の内容が違う可能性があります。
パートの方でも保育士資格があれば基準の人数に換算されます。
現に正規職員が少なく、非常勤の先生も担任を持ち、正規職員と近い働き方をしている園もあります。
そして、それはルール違反ではありません。
人が確保しにくい時間帯
早番や遅番帯の時間は人を確保しにくいです。
この時間はなかなかやりたい人は少ないですよね…。
そういう所は安い時給にしても当然人が来ないので、ある程度時給を高くしないと人が来ません。
そういう理由で時給が高くなる傾向があります。
できるだけ早く人を確保する必要がある
とにかく緊急で人材を確保しなければいけない場合は、通常の時給よりも高めに設定して、なるべく早く確保しようとするケースもあります。
他の保育園よりも時給が高ければ、「ここで働こう!」となりますものね!
まとめ
保育園の就活…担当からグイグイ来るのはヤバい保育園?
- とりあえず人材の選択肢は多く残しておきたいのが採用側の心理です。条件をある程度変えても、選択肢は残しておきたいと考えているかもしれません。
- あまりにも条件を変えすぎる所は深刻な人材不足の可能性があります。
内定の辞退は想定している?
- 法人の規模によります。
- 大規模法人⇒年間で採用計画をしっかり立てているので、内定辞退もある程度想定済。
- 小規模~中規模⇒進退調査を7~8月頃にやるケースが多く、そこから採用計画を決める。人材
を多く採りすぎることはあまりしたくないので、内定辞退はそこまで想定し
ていない。 - 面接する保育園は1~3園がオススメ。(保育園側の都合の考慮、内定辞退時のストレスを考慮して)
実技試験など、手間のかかる試験をしているのは人手に余裕があるから?
- かならずしも、そうとは言い切れない。
- 実技試験を行う理由は3つ。
①保育園の求める人物像として必要な技能だから。
②保育士試験にならっているから。
③慣習として残っているだけ。
パートの給料はなぜこんなにも違うの?
- 求められる仕事の内容⇒保育士に近い職務内容か、保育補助かによっても時給は違います。
- 人が確保しにくい時間帯⇒人材が集まりにくいので、高時給になる場合があります。
- 早々に人を確保する必要がある⇒人材をすぐに確保するため、高時給にする場合があります。
子どもと関わる全ての人へエールを!
保育園で働き始めたい方、転職を考えている方はこちらの記事もオススメです!
https://hoikubu.blog/kobitoencho/44/